2016年5月25日発売予定!
寺竹順さん出演ドラマCD淫魔「熱血な誘惑・怠惰な誘惑」のシナリオ公開を更新☆
もちろん今回もHayami先生が読みやすく小説風にかいてくださいましたよ♪
2人同時に相手にすることは出来ないと、“あなた”は自分でも驚くほどきっぱりと答えた。
「へ? 三人でやるのダメなのか?」
「……まあ、俺達二人をいっぺんに相手にするのは、大変かもね」
「んー、んじゃ、一人ずつする?」
「どっちから?」
「そりゃ俺でしょ!」
「なんで」
「お前面倒くさいって言ったじゃん」
「それは……まあ大体は面倒くさいけど、お姉さんはちょっと別」
「ええ~、何だよそれ! ダメ、俺が先! 言ったもん勝ち!」
「そうやってがっつくと嫌われるよ」
「うっ!」
「だから俺からってことで」
「お前だってがっついてんじゃん」
「はぁ……このままじゃ、埒が明かないから、お姉さんに決めて貰えば?」
「あ、それいいかも! キスして気持ちよかった方からするってのはどうよ?」
「いいんじゃない」
「よっし、じゃあ、俺からな。こっち向いて。ん……ぅ……、ふ…………んん…………っ。はぁ……っ。どう?」
“熱血な淫魔”は“あなた”が返事をするより早く、唇を奪った。
「次は俺だよ。こっち向いて。んん……っ、ふ……ぅ…………んっ。ふ……、こんな感じかな」
“熱血な淫魔”が唇を離すと、待ってましたとばかりに、“怠惰な淫魔”が今度は“あなた”にキスをする。
“怠惰な淫魔”が離れると同時に“熱血な淫魔”は“あなた”の顔を覗き込んだ。
「なーなー。どっちが良かった? 俺? やっぱ俺だよね? やっべ、おねーさんとのキス気持ちよくて、もう勃っちゃった」
「お前な、キスぐらいで勃たすなよ。だから早いんだよ」
「ひどい、俺早漏じゃないもーん」
「そうだっけ?」
「そうだ! 3分は保つ!」
「カップラーメン並……。で、お姉さんはどっちがいいの?」
“あなた”は2人のやりとりを見ながら、答えを出しあぐねていた。
“熱血な淫魔”には“熱血な淫魔”の良さが、“怠惰な淫魔”には“怠惰な淫魔”の良さがある。
「選べない」
「え、どっちも選べない?」
「それはなしだよ。どっちか選んでもらわないと」
「どうしても選べない」
それでも“あなた”は頑なに同じ答えを繰り返した。
「むー……、気持ち良くて選べない、か……」
「つまりどっちからでもいいってことだよね」
「じゃあ……」
「何」
「ジャンケンだ!」
「…………」
“熱血な淫魔”の単純な提案に“怠惰な淫魔”は言葉を失う。
「何だよ、その顔! これが一番手っ取り早いだろうが!」
「ま、それもそうか」
「どっちが勝っても、うらみっこなしだぞ!!」
「はいはい」
「いくぞ、ジャンケン、ほい!」
「あいこだ」
「あいこでしょ! あいこでしょ! あいこでしょ!」
何度じゃんけんを繰り返しも、あいこが続く。いい加減、“熱血な淫魔”も“怠惰な淫魔”もうんざりしていた。けれど、それを目の前で見せられている“あなた”もそれは同じだった。
「なんであいこなんだよー!」
「お前と気が合っても嬉しくないんだけど」
「それこっちのセリフだから!」
「ほら、もう一回」
「あいこでしょ! あいこでしょ! あいこでしょ! ぐがががが……!」
「次決まらなかったら、やっぱり三人でしよう」
「そうだな。ラストチャーンス! いっせーの、ジャンケンほい!」
「うおおぉぉぉ! 勝った! やったるぞー!」
“熱血な淫魔”は勝負に勝った拳を見つめて、歓喜の声を上げた。
「……うるさい」
“怠惰な淫魔”はつまらなさそうに溜め息をつく。
「勝った! 勝った!」
「うるさいってば、わかってるよ」
“怠惰な淫魔”は苛立ちから、“熱血な淫魔”の後頭部をポカっと殴った。
“熱血な淫魔”は拗ねた表情を浮かべたものの、すぐに“あなた”の方に向き直った。
「って、わけで、おねーさん! まずは俺といっぱい遊んでくれよな!!」
「あ、でもその後、俺ともすること、ちゃんと覚えておいてね」
「大丈夫、俺達は気持ち良いことしかしないから。へへ、おねーさんがどんな風になるか、すっげー楽しみぃ」
「美味しい精気、たくさん頂戴ね。俺もすごい楽しみにしてるから」
彼らは口々に言い、“あなた”に好奇の目を向ける。
そして、暗闇に響くは重く、鈍い秒針の音――。
今回の更新はここまで!次回の更新は【 3月24日(木) 】を予定しております!
楽しみにお待ちください♪
※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。
2016年5月25日発売
ドラマCD「淫魔」
熱血な誘惑・怠惰な誘惑
出演:寺竹順
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