2016年5月25日発売予定!ドラマCD淫魔「熱血な誘惑・怠惰な誘惑」のシナリオ公開を本日より開始☆
もちろん今回もHayami先生が読みやすく、小説風にかいてくださいました☆
おたのしみください☆
暗闇に響くは重く、鈍い秒針の音――。
寝室で眠る“あなた”に気付かれぬよう、2人の淫魔――“熱血な淫魔”と“怠惰な淫魔”は風の音に似た音を立て現れた。
2人はベッドに眠る“あなた”に静かに近付く。
「ホントのホント。すっごい美味しそうな匂いがしたんだ」
“熱血な淫魔”は“怠惰な淫魔”に熱心に説明する。
「すっごいって、どのくらい? お前のすっごいって当てにならない」
「すっごいのはすっごいんだって! こう、ふわわーんっていうか、ぽわわーんっていうか、良い匂いが広がって……。あんなにそそられる匂い、初めてだった!」
「ふーん」
“怠惰な淫魔”は“熱血な淫魔”の話を適当に受け流す。
「お前も絶対気に入るって! 大体お前は淫魔のくせに精気に無頓着すぎんだよ。あんなに美味しいのに」
「だって……面倒くさいし」
「そんなこと言うなって!!」
話してるうちに2人は“あなた”の枕元で立ち止まった。
“熱血な淫魔”はニヤニヤ笑いながら、眠る“あなた”を指差した。
「ほら、この人、このおねーさん! すっごい美味しそうな匂いがすると思わねー?」
「ホントだ」
“熱血な淫魔”が言ったことが本当だったことに少し面食らいながら、“怠惰な淫魔”は相槌を打つ。
「な、言った通りだろ!?」
「まあ、すごいと言われれば……そうだね。すごいかも。こんな匂い初めてだ」
「これならお前も、ほしいって思うだろ?」
「そりゃ、嫌じゃないけど……」
「お前なー、そういうの良くないぞ。もらえるときにもらっとかないと、後で後悔するぞ」
「別に困ってないし」
2人の言い合っている声で“あなた”はふっと目を覚ました。
“あなた”は見慣れない男が2人も枕元に立っていることに驚いて声も出せない。
一体、何が起きているのか、それを理解しようとするので精一杯だった。
「あ、起きた! おはよー、おねーさん」
“熱血な淫魔”は屈託なく笑うと言った。
「どうも」
“怠惰な淫魔”も愛想なく言う。
そんな2人を“あなた”は怪訝な顔をして見ることしが出来なかった。
「ねえ、セックスしよ!」
“熱血な淫魔”は単刀直入に言う。
“あなた”は彼が何を言ったのか、一瞬意味がわからなかった。
「いやいやいや、いきなり過ぎるって」
“怠惰な淫魔”は溜め息混じりで“熱血な淫魔”を見る。
「そっか。じゃあ、精気ちょうだい?」
「それも違う」
「え、じゃあ何て言えばいいんだ?」
「そもそもの説明がない。俺達が淫魔だってこと、言わないとわかんないだろ」
「あー、そうだった。おねーさん、俺達淫魔なんだ。えっと、淫魔っていうのは……なんだっけ?」
「人間の夢の中に入って、精気を吸う魔物だよ。精気は、人が快楽を得る時に放つ、生命の力のようなもの。淫魔にとってはそれがご馳走なんだ」
「そうそう、それそれ。んで、だ。俺達はその精気を貰いに来たってわけ。だから、俺達としようよ」
「面倒くさいけど、セックスするのが一番早いんだ」
2人の説明の意味は理解出来たものの、簡単に了承出来るような話ではない。
“あなた”はどうにかこの場を離れようと思考を巡らす。
「あれ、どうしたの?」
「俺達としたくないんじゃないの」
「え、嘘、なんで!? だって今の俺達って、おねーさんにとっては理想の男そのもののはずだろ!?」
「多分、そうなんだけど……。でしょ?」
“あなた”は戸惑いながらも“怠惰な淫魔”の問いに頷いた。
自分でも不思議なくらい、素直な行動だった。
「やっぱり! じゃあいいじゃん、しようよ!」
“熱血な淫魔”は“あなた”の頷きを許可の頷きと捉え、ベッドに上がる。
ベッドの軋む音が“怠惰な淫魔”の官能的なスイッチを押したのか、彼も少し遅れてベッドに上がった。
「俺も気が向いた」
そう言うと、“熱血な淫魔”とともに“怠惰な淫魔”も“あなた”にゆっくりと近付いてゆく。
「おねーさん、優しいのと激しいの、どっちが好き?」
「おねーさんのお好みな方で愛してあげるよ」
2人の淫魔は口々に言うと、“あなた”の顔を覗き込んだ。
今回の更新はここまで!次回の更新は【 3月17日(木) 】を予定しております!
楽しみにお待ちください♪
※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。
2016年5月25日発売
ドラマCD「淫魔」
熱血な誘惑・怠惰な誘惑
出演:寺竹順
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