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【petit】佐和真中だらけ~彼とはじめての♡~ 王子編 シナリオ公開(3)

  • 2017年03月26日
  • petit

大変おまたせいたしました☆

佐和真中だらけ~彼とはじめての~ 第1位:王子 編のシナリオ公開を更新☆
シナリオを担当してくださった、正海春人先生が読みやすく、小説風に書き換えてくださってます!

 


【SAMPLE入り】王子_トリミング済

王子との距離が近くなる。それが怖いと思い始めたのはいつからだろう。決して傷つけるようなことをしてくるわけではないのに、ひどく恐ろしい。
私の行動も日に日に制限されていった。掃除の場所は王子の部屋に限定され、王子の部屋へ行く回数も増えた。けれど嫌とは言えないまま時は過ぎて、王子の狂気が決定的になる出来事が起こってしまった――。

その日は騎士の方が怪我をして、私はその処置をしていた。立ち話程度だけど、こうして誰かと普通に話せる時間は私の心を癒して、笑うこともできていた。
それを王子が見ていたなんて、気づかずに。

先に気づいたのは騎士だった。跪こうとする騎士に、王子はそのままでいいと笑みを浮かべて、ここに来た理由を話した。こうして見ていると穏やかなのに――。

「部屋にいても退屈だったからね。馬にでも乗ろうかと思ったんだよ……。それにしてもずいぶん君たちは仲が良さそうだね」

私たちに向けられる目。口は笑っているのに、そこだけは違った。心が壊れたような、感情の読めない目。私はその視線を受け止めることは出来なくて小さく俯いた。

「メイドと騎士ってそんなに接点あるんだ。知らなかったな」
「け、怪我をされたと聞いたので手当をしただけです」
「怪我?」

王子は騎士を一瞥した。

「情けない話ですが、剣の稽古中に……それで彼女が手当をしてくれたんです」
「そう……」
「彼女にはいつも助けてもらっています。メイドは多くいますがここまで気を遣えるのは、彼女くらいでしょう」

心の中で私が叫んでいる。「やめて」と。
きっと普通なら褒められて喜んで、お礼を言う場面かもしれない。けれど、そんなことを言って笑顔を浮かべられる状態ではなかった。笑みを忘れた目で私を見ていたから。

「ふっ……彼にも教えてあげたらどう? 君の可愛いところ……」

ほんの数歩移動して、王子は私の背後で囁いた。首を左右に振って私はこの場から逃げることだけ考えていた。
けれど――。

「そうそう、彼女に用があるんだった。ちょっと来てくれるかな?」

その瞬間、私は逃げることはできないのだと悟るのだった――。


 

続きが気になる方はぜひ!製品版をご購入ください☆

※製作の都合上、収録内容は変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。

 

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2017年3月24日発売予定
あなたの1票で収録エピソードが決まる!
○○だらけシリーズ
ドラマCD「佐和真中だらけ~彼とはじめての♡~」
出演:佐和真中
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