【密カレ】同級生の彼と体育倉庫で……(出演:悠輝タクト) シナリオ公開(6)
- 2015年03月28日
- 密室に閉じ込められて、気になる彼にあんなコトやこんなコトをされちゃうシリーズ
ドラマCD「密室に閉じ込められて、気になる彼にあんなコトやこんなコトをされちゃうシリーズ:同級生の彼と体育倉庫で……」のシナリオ公開 第6回です!
そして、今回もシナリオはドラマCDのシナリオを担当して下さった「Hayami」様が書いてくださいました~☆
お楽しみください♪
「ヒミツの場所は立ち入り禁止」
作:Hayami
「あれ……? なんか急に暗くなってきた……。日が暮れてきたのかな……」
小さな窓から見える、その様子に雅也は怪訝な顔をする。
「……大丈夫? 君、暗いの苦手だったよね……?」
雅也は私の顔を心配そうに覗き込みながら言った。
「苦手だけど、このくらいなら、大丈夫……」
雅也に心配をかけないように、私は作り笑いを浮かべる。
しばらくすると、窓ガラスを雨粒が叩き始めた。最初は不規則に、けれど、あっという間にそれは規則的になっていく。
雨は次第に激しさを増して、ひどくうるさくなっていった。
「あっ……、雨が降ってきたみたい……」
雅也は窓の方を見ながら言った。すでに小さな窓からは雨粒の所為で、空が見えなくなっている。辛うじて、外が薄暗いことだけがわかった。
なんだか、少し心細かったけれど、隣に雅也がいることで、私はいつものような不安を抱かずに済んでいた。
ほっとしたのも束の間、大きな雷が近くに落ちたらしく、轟音が鳴り響く。
「きゃっ!」
私は悲鳴を上げて、身体をすくめた。
「大丈夫だよ。近くに落ちただけだから」
雅也は私の耳元で優しく囁く。その言葉に私は小さく頷いた。
「怖いんでしょ? ……いいよ。僕にくっついてて」
そう言って、雅也は私の肩を抱き寄せる。
「……」
嬉しさと恥ずかしさで私は何も言わずに、雅也の腕の中でひっそりと息をする。
「こうしてれば、怖くないでしょ?」
「うん……」
「ねぇ、ドキドキしてるでしょ? また顔が真っ赤になってる」
私は彼に顔を見られるのが恥ずかしくて、拗ねたように口を尖らせ、そっぽを向く。
そんな私を彼は楽しそうに見ているのが視界に入った。
「……して……ない……!」
私はそう返すだけで精いっぱいで、彼の顔を見ることが出来なかった。
「僕はすっごくドキドキしてるよ」
「……」
黙って俯く私の頬を両手で包み、雅也は優しく笑った。
「照れてる君も可愛い」
「嘘ばっかり」
突然、可愛いなんて言われて、私は憎まれ口を叩いてしまう。彼からの褒め言葉を素直に受け取れる程、私は自分の容姿にもしぐさにも自信はない。
「ホントにそう思ってるのになぁ……。高校生の頃から、可愛いって思ってたよ」
雅也は少し困ったように私を見る。
「一度もそんなこと言ってくれなかったじゃん」
口を尖らせ、反論する私に雅也は肩をすくめて見せた。
「だって、そんなこと言えるわけないでしょ? ずっと友達だったし、恥ずかしいし……。君に気持ちを伝えようとしたけど、ダメだった時のこととか、なんか色々考えちゃって、伝えられなかったんだ」
「……」
それって、雅也も私と同じ気持ちだったてこと……?
彼の気持ちを聞いて、私はなんだか複雑な気持ちになる。
「でも、君に気持ちを伝えなかったこと、すごく後悔したんだ。だから、思ったことは、思ったその時に、ちゃんと口に出そうって決めたんだよ」
的確な言葉が見つけられない代わりに、私は何度も小さく頷いた。
雅也は何の前触れもなく、抱き寄せていた肩から手を離した。次の瞬間、私は彼の腕の中にいた。
「!」
肩を抱き寄せられるだけでもドキドキしていたのに、抱きしめられて私の恥ずかしさはさっきの何倍にもなってしまう。もう何も考えられそうになかった。
彼に抱きしめられるなんて夢のようで嬉しい。けれど、それと同時に私はこの現状を冷静に考えようとしていた。彼の鼓動がすぐ近くで聞こえる。その所為で私の思考は思うように働かなかった。
「ずっと、君のこと、抱きしめたいって……思ってた」
雅也の声が頭上から聞こえる。それだけで心臓が止まりそうになった。
「君が好きだよ」
雅也の言葉に私は小さく、しかし、はっきりと頷いた。
きっと、私の想いは、私の体温と一緒に彼に伝わっているだろう。
こんなにドキドキすることは、雅也の腕の中以外ではきっと有り得ない。
私の鼓動を煽るように、外の雨は更に激しさを増していた。
今回のシナリオ公開はここまで!
次回更新をお待ちください♪
※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。
2015年4月29日発売予定
密室に閉じ込められて、気になる彼にあんなコトやこんなコトをされちゃうシリーズ
同級生の彼と体育倉庫で……
出演:悠輝タクト
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