【密カレ】同級生の彼と体育倉庫で……(出演:悠輝タクト) シナリオ公開(5)
- 2015年03月27日
- 密室に閉じ込められて、気になる彼にあんなコトやこんなコトをされちゃうシリーズ
ドラマCD「密室に閉じ込められて、気になる彼にあんなコトやこんなコトをされちゃうシリーズ:同級生の彼と体育倉庫で……」のシナリオ公開 第5回です!
そして、今回もシナリオはドラマCDのシナリオを担当して下さった「Hayami」様が書いてくださいました~☆
お楽しみください♪
「ヒミツの場所は立ち入り禁止」
作:Hayami
「じゃあ、どうして……」
雅也はそこまで言うと、ハッとしたように私の顔を見た。
「ねぇ、もしかして、ドキドキしてる?」
私は言われて、自分の頬が次第に赤くなっていくのを感じていた。薄暗いここではきっと赤くなっていることには気付かれないだろう。けれど、私は雅也からそっと顔をそむけた。万が一、気付かれたら恥ずかしい。
しかし、雅也はそんな私のしぐさを見て、何を思ったのか、くすりと笑った。
「可愛い……。僕も……君と一緒で、すごくドキドキしてるよ」
心を見透かされたようで返す言葉が見つからない。耳元で聞こえる雅也の声に胸が一段と高鳴った。あと少し近付けば、吐息が耳に掛かりそうな距離だ。
「ほら、見つかっちゃうよ。もっと、こっちにおいで?」
甘い声で紡がれる言葉は、私の耳をくすぐる。私はドキドキする胸が今にも止まってしまいそうな感覚に襲われながらも、雅也の言葉に耳を傾けずにはいられなかった。
私が自分からは近付けないことに気が付いたのか、ほんの一瞬の間を置いて、雅也は私を優しく抱き寄せた。
それとほぼ同時に体育倉庫のドア付近で突然、聞こえていた足音が止まった。
「あれ……? 鍵、開いてる?」
「本当だ。鍵の締め忘れ……? まぁ、別に良いじゃん。早く片して戻ろうぜ。」
「そうだね。割と混んでたし早く戻って手伝わないと……」
在校生の会話が聞こえて、私たちは息をひそめた。
ドアが開き、体育倉庫に在校生が2人入ってくる。足音が近付いてくるのに比例して、私の鼓動も大きくなっていく。
「これ、ここでいいの?」
「うん、そこで合ってる」
用具をしまう音が体育倉庫に響き渡った。けれど、私たちの存在に気付く気配はない。
どうにか、私たちがいることはバレずにいられそうだ。
「じゃあ、鍵を閉めたら終わり! 教室に戻ろう」
「うん」
在校生たちはそう言うと、再びドアの方に歩いて行ったようだ。ドアが開閉音に続いて金属音が聞こえた。
今の音って……。
嫌な予感が頭を過る。
「ふぅ……。危ないところだったね。でも、鍵が閉まる音がした……よね?」
雅也もさっきの金属音でピンときたようだった。
「多分……」
私の返事を聞くと、少し困ったような顔をして、ドアまで歩いて行った。
雅也はドアの取っ手を握ると思いきり引っ張る。けれど、ドアはびくともしなかった。
「……やっぱり」
雅也のつぶやく声が聞こえる。
「鍵、閉められちゃったみたい……」
「……」
私はやっぱりという気持ちと、どうしようという気持ちで、言葉に詰まった。
雅也は私を振り向いて続けた。
「まずいよね……。文化祭中だし、今日は誰も来ないかも……」
あ、確かに……。
文化祭中に体育倉庫になんて、滅多に行かない。さっきの在校生だって、きっと、昨日使った用具を今日まで片付け忘れていたか、先生に片付けるように指示されたかのどちらかだろう。
「どうしよう……」
私が不安をそのまま口にすると、雅也が申し訳なさそうな顔をして私を見た。
「ごめん。折角、久しぶりに文化祭に来たのに、こんなところに閉じ込められちゃって……。僕が体育倉庫に入ろうなんて言い出したから……」
「気にしなくて、大丈夫だよ」
私は思ったままを言った。
雅也と閉じ込められるなら、別にかまわない。
不思議とそんな風に思ったのだ。
「……ありがとう。君は優しいね」
雅也は少し困ったような表情を崩して、微笑んだ。
今回のシナリオ公開はここまで!
次回更新をお待ちください♪
※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。
2015年4月29日発売予定
密室に閉じ込められて、気になる彼にあんなコトやこんなコトをされちゃうシリーズ
同級生の彼と体育倉庫で……
出演:悠輝タクト
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