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【わるまほ】第1弾:眠れる森の美女 シナリオ公開(4)

おとぎ話の「もしも」の結末を描くわるまほシリーズ、第1弾は『眠れる森の美女』。悪い魔女の呪いによって眠ってしまった姫を、王子がキスで目覚めさせる――そんなオリジナルの結末をアレンジしてお届けします。
当作品の魔法使いは、赤子の頃からあなたに仕える側近。兄代わりとしてあなたを見守り続けてきた彼には、ひた隠しにしてきた秘密が――……。

魔法使いへの恋心を封じ込め、王子との結婚により手に入る自由を意識しだすあなた。そんなある日、ずっと避け続けてきた魔法使いに呼び止められ……?
CDでは「姫(あなた)」視点で物語が進行しますが、こちらでは特別に「魔法使い」視点を公開します。 ※台詞はCDと同じものになります。

▼▼▼

「…………まさか本当に、外に出られるかもなんて理由だけで縁談を受けるつもりか?」

そう尋ねると、彼女は一度強く唇を引き結んでから「わからない」と答えた。

「……わからない、か……。前みたいに絶対嫌だとは言わないんだな」

彼女の好意を拒絶したのは自分で、今更こんなふうに嫉妬するのは間違っているかもしれない。
けれど、自分から離れて安易な自由を掴もうとする彼女に、どうしようもなく苛立った。

「王子に会ってからこの2週間、お前は俺を頼らずとも、きちんといつも通り過ごして、王子との面会もつつがなく済ませてきた。……国王も言っていた。『もうあの子は充分一人前の姫に成長した。この縁談は、自由にしてやるための良いきっかけかもしれない』と」

「……まぁ俺が言ったことでもあるしな。お前はいつか必ず誰かと結婚しなければいけない。それが『姫』として生まれた人間の役目だって。俺の役目は、そんなお前を、いつか王子の元に嫁ぎ、自分が必要なくなるその日まで守ること。だからお前が結婚を選ぶなら、俺はもう側近も護衛も教育係も、兄代わりも……全部終わり」

「……俺の罪滅ぼしも、ここでおしまいだ」

苛立ちに任せて言い連ねて。
耐え切れずに笑ってしまった。おかしくもないのに。

「むしろ一生このままでも良いんじゃないかとさえ思ってたのに残念だよ。……だが、役目から解放されたんだから、あとはもう好きにしていいってことだよな。……お前のことも」

壁にまで彼女を追い詰める。
その目には怯えが浮かんでいた。
耳元に唇を寄せて囁く。

「なぁ……この城からどうしても出たかったんだろ? ここから出してくれるなら、王子様じゃなくたっていいんだろ? なら……」

秘密を明かしたからには、もう側近と姫という立場では居られない。
だからいっそ、全部壊してしまうことにした。

「……俺が、連れ出してやるよ」

彼女と俺の、18年間を。

▲▲▲

シナリオの一部を抜粋してお届けしました。
今回のシナリオ公開はここまで!
次回の更新は、【 2月22日(日) 】を予定しています!
お楽しみに☆

※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。
(物語の核心に触れる箇所を、一部意図的に隠してあります)

2015年3月25日発売予定
わるい魔法使いに姫が略奪されてしまいました
第1弾:眠れる森の美女編

出演:村上たつや
ご予約はこちら ステラワース限定版のご予約はこちら

2015年5月27日発売予定
わるい魔法使いに姫が略奪されてしまいました
第2弾:シンデレラ編

出演:櫻井真人
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2015年7月29日発売予定
わるい魔法使いに姫が略奪されてしまいました
第3弾:白雪姫編

出演:柊三太
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