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【ブーケ】禁断情事:妻帯者と私 シナリオ公開(10)


お待たせいたしました!
ドラマCD「禁断情事:妻帯者と私」のシナリオ公開を更新です☆

今回も正海春人先生が読みやすく、小説風に書き換えてくださってますよ☆

通常版出演

杉崎和哉

亜美/スープカライJr/伴茶弐/六条太助/田 七朗

ステラワース限定版出演

杉崎和哉

亜美/スープカライJr

連動購入特典出演

杉崎和哉

伴茶弐/スープカライJr


Part.10「キス」

総司の家を飛び出して歩いていると、泰之に会ってしまった。私の様子にすぐに気づいて私を家まで送ってくれた。総司とのことを話すと泰之は悲しそうな顔をした。

「……総司が暴走したのって、きっと僕のせいだね。電話に出なかったのも……その時でしょ?」
「……もう、やだ」

自分の気持ちも、判断も、何もかもが嫌になっていた。総司を傷つけるつもりもなかったのに、泰之のことだってただ心配で、好きだっただけ。何かを望むこともなかったのに、どうしてこうなってしまったのだろう。

「私、最低だ……」
「最低だなんて……そんなこと言わないで」
「泰之……」
「総司はそんな風に思ってないよ。君は悪くない」

優しい泰之に寄り掛かってしまいそうだ。だから最低だと繰り返し自分を罵った。けれど、泰之は本当に優しい人だから、私を軽蔑したり、罵ったりはしてくれない。泰之の優しさは残酷で甘いのだ。

「……ごめん、君を苦しめてることもわかってる。君に甘えて、君が過去のことだって言った気持ちに寄り掛かってる。でも……」

泰之の手が触れる。抱きしめてくれた時とは違う、優しい力で。

「愛してるんだ」

『好き』とは違うそれに、抑えていた気持ちを引きずりだされる。言葉を詰まらせると泰之は私を抱き寄せた――。

「ちゃんとけじめをつけるまではって思ってたけど……待てない。君は、僕のことどう思ってるの? ……応えてくれ」
「……っ」

理性で抑えられない感情に直面した時、多分人はそれに抗えない。それが怒りなのか、悲しみなのか、苦しいほどの愛なのか。駄目だとわかっているのに、あれだけ言い聞かせていたのに、欲してしている。唇から零れる音は綺麗なものなのに、私たちの間では誰かを傷つけるものだ。

「好き……ずっと、好きだった……」
「……っ!」

その瞬間泰之は私を強く抱きしめた。耳元で聞こえる声は静かで、嬉しそうな感謝の言葉。同時に耳には優しい口づけが落ちた。思わず身を捩ると「逃げないで」と囁く。

「でも……」
「秋穗には、別れて欲しいって言ったよ」
「!」
「言ったでしょ? もう嘘はつかないって。まだ話の段階だけど……」

泰之が本気だということはちゃんとわかっていた。けれどこんなに早く行動するなんて。慎重で穏やかな泰之からは想像もできなかった。

「最低だって自覚はある。それでも君が欲しい……理性で止められる想いなら、こんなことしない……んっ……」

受け入れてしまったキスの合間に漏れるのは、泰之の吐息と愛の言葉。それは何年越しのものなのかわからないほど、強く熱いものだった。


本日のシナリオ公開はここまで☆
次回の更新をお待ちください!

※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。

2017年7月26日発売
禁断情事:妻帯者と私
出演:杉崎和哉 ほか
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