【ブーケ】禁断情事:妻帯者と私 シナリオ公開(8)
- 2017年07月11日
- bouquet
お待たせいたしました!
ドラマCD「禁断情事:妻帯者と私」のシナリオ公開を更新です☆
今回も正海春人先生が読みやすく、小説風に書き換えてくださってますよ☆
通常版出演
杉崎和哉
亜美/スープカライJr/伴茶弐/六条太助/田 七朗
ステラワース限定版出演
杉崎和哉
亜美/スープカライJr
連動購入特典出演
杉崎和哉
伴茶弐/スープカライJr
Part.8「判断を鈍らせる告白」
瑞貴に連絡が来ても断れと言われたのはほんの数分前。一人になって考える暇もなく携帯が震えた。ディスプレイに表示された名前に、私はすぐに通話を押せなかった。このまま切れてくれれば。そう思っているのに、鳴らす音は長く響く。
「……はい」
「あ、もしもし? ごめん、いきなり電話して。忙しかった?」
「大丈夫」
「今帰りなんだけど、近くで少し会えないかと思って」
泰之の弾む声。それが胸を締め付けるほど嬉しいもので、振り払っても振り払っても泰之への想いが私を捉えてくる。それでも想いのままに動くことはできない。汗ばんだ掌をきつく握って、声を絞り出す。
「泰之、やっぱり……」
「ん? 何? ごめん、外うるさいよね。さっきから車多くて……それで、どうしたの?」
「やっぱり私たち、会わない方がいいと思う」
「……っ、どうしてそんなこと? 秋穗のこと、気にしてるの?」
何も言えずにいると泰之が静かに言った。それは意思が強くて、抗いようもないほど嬉しい「君に会いたい」という言葉――。
突き動かさたように私の足は動く。泰之が指定した『昔一緒に遊んだ公園』に向かって。
公園に着くと泰之が既に待っていた。
「来てくれたんだね」
「……五分だけだよ」
「うん、五分でいいよ」
場所のせいもあったのか、私たちは昨日よりも昔に戻ったように言葉を交わした。泰之の仕事のことを聞くと、一日中眠かったらしい。
「寝不足? もしかして昨日家に帰って何かあった?」
「寝てないのはたしかだけど、別に秋穗と何かあったわけじゃないよ。ただ昨日は眠れなくて……一晩中君のことを考えてたから」
他愛ない会話は終わりを告げた。泰之の、私を見る目が変わった瞬間に。昨夜、私を抱きしめていた時の目。そしてそれを向けながら、泰之は私に「今日ちゃんと会っておきたかった」と――。
「もう自分を騙せないってわかったから」
「……騙す?」
「うん……僕はずっと嘘をついてた。自分にも秋穗にも、君にも……」
泰之は体ごと私の方に向けて、見つめた。視界の全てを泰之でいっぱいにされているような……他のことを考えられなくなる。
「君が今、僕のことをどう思ってるかはわからない。でも、僕は昨日再会してはっきりわかった。僕が見ているのは……昔も今も君だった」
昨日告げてくれた想いよりもはるかに強い。何もなければきっと泰之に応えていただろう。けれどそれができるほど私たちは自由じゃなかった。けれど体の奥が熱くなるような告白は、私の判断を鈍らせようとしていた――。
本日のシナリオ公開はここまで☆
次回の更新をお待ちください!
※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。
2017年7月26日発売
禁断情事:妻帯者と私
出演:杉崎和哉 ほか
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