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【ブーケ】禁断情事:妻帯者と私 シナリオ公開(6)


お待たせいたしました!
ドラマCD「禁断情事:妻帯者と私」のシナリオ公開を更新です☆

今回も正海春人先生が読みやすく、小説風に書き換えてくださってますよ☆

通常版出演

杉崎和哉

亜美/スープカライJr/伴茶弐/六条太助/田 七朗

ステラワース限定版出演

杉崎和哉

亜美/スープカライJr

連動購入特典出演

杉崎和哉

伴茶弐/スープカライJr


Part.6「気持ちの時効は」

踏み込むべきではないとわかっていたのに、心配で泰之に声をかけてしまった。余計なことだったと謝ると泰之は「そんなことないよ」と微笑んだ。

「心配してくれてありがとう」
「うん……それじゃあ……」
「……またね、とは言わないんだね」

泰之の言葉に私は思わず顔を伏せた。お互いの気持ちを知ってしまったから、奥さんに対して後ろめたさもあったのだと思う。それを伝えると泰之は困ったような顔で微笑んで静かに呟いた。

「……好きって気持ちは、時効じゃなかったの? もし、僕に奥さんがいなかったら今も有効?」
「…………」
「ごめん、余計なことだったね」
「……うん、忘れて」

胸がただ軋む。忘れようと思っても忘れられなかったのだと、突き付けられる。泰之が「忘れよう」と呟いて、もう会わない意味を込めて「さよなら」を言う。そのはずだったのに――。

「っ、大丈夫?」

泰之の声が途中で車のクラクションにかき消された。車が走り去る音だけ聞きながら、私は泰之の体温の中にいた。早く離れなくては。それだけが頭を駆け巡って、でも体は硬直でもしてしまったみたいに動かない。それは泰之の腕の力が強くなったから――。

「……また、会ってくれないか? 二人で」

耳元で掠れる声。秘密にと言われているような囁きに私は抱きしめられたまま否定を呟いた。けれど泰之は切羽詰まったように更に囁く。

「会うだけだ。小学生の時みたいに何も考えずに……会うだけ」
「でも……」
「お願いだ……」

熱のこもる声に、私の声は考えていたこととは違うことを発していた。

「会う、だけなら……」
「うん……それだけでいい」

イエスを言うと泰之は私を開放した。温もりが離れてホッとするはずなのに、心のどこかで寂しさを感じている私は最低だ。早く、早く、早く……この場から離れて、忘れなくては。泰之の声も温もりも、腕の力も。後戻りが出来なくなる前に。そう思っていたのに――。

「……抱きしめたりしてごめん。変わらない君を見てたら……止まらなかった」
「……っ」
「昔のことって君は言ったけど、僕はずっと君が好きだったよ。その気持ちは、今も変わってない」

突然の告白に目の前が歪んだ。それは私たちの間には、あってはならない感情と言葉だから――。


本日のシナリオ公開はここまで☆
次回の更新をお待ちください!

※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。

2017年7月26日発売
禁断情事:妻帯者と私
出演:杉崎和哉 ほか
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