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【ブーケ】禁断情事:ホストと私 シナリオ公開(10)


お待たせいたしました!
ドラマCD「禁断情事:ホストと私」のシナリオ公開を更新です☆

今回も正海春人先生が読みやすく、小説風に書き換えてくださってますよ☆

通常版出演

皇帝/伊藤ヒロ/泥左衛門/飯田 進/横良 翔/船木ふな
金剛山寿一/小山田 樹/秦 弥助

ステラワース限定版出演

皇帝/船木ふな

連動購入特典出演

皇帝/伊藤ヒロ


Part.10「諦めない」

桐生くんの気持ちを聞いても、私ははっきりと返事ができないままでいた。桐生くんの仕事ごと、思い続けることは自分には出来ないような気がしたから。嫌な女だと自分に溜息を吐きながら、桐生くんの家を出た。

ちょうど出勤時間だという桐生くんも、私を途中まで送ると言いながら外に出た。そんな風に言ってもらえる資格はないのに、嬉しく思ってしまった。桐生くんのマンションの前に、愛さんが待っていることも知らずに――。

愛さんは桐生くんがお店に出ていなかったからここまで来たと言っていた。桐生くんは家を教えた覚えがないようで困惑している。
呆然とする私と、困惑と怒りを交える桐生くん、そしてただただ桐生くんに甘える愛さん。私はどうすることもできないまま、二人を見ていた。

「連絡がつかないと思ったら……何してるんだ? お前」
「っ、桜庭さん」

最悪の状況だとすぐにわかった。愛さんに続いて今度は桜庭さんがやってきた。愛さんはともかく、桜庭さんにとって私は邪魔な人間だということは既にわかっていたから。この緊迫した空気は私と桐生くんにしかわからないことだ。けれど愛さんは桜庭さんに甘えるように言った。

「あ、オーナーだー! ねえ、オーナー。この後皐月と二人きりで過ごしたいんだけど、お店出なきゃ駄目?」
「愛ちゃん、こんばんは。ごめんね、皐月は店出ないと。二人でいたいならVIPルーム押さえとこうか? 俺、連絡しとくよ」
「えー。いいけど、今からじゃ、皐月目当ての女の子いっぱいいて、私のとこ、全然来てくれなさそうじゃない」
「うーん……じゃあ次の時に皐月を愛ちゃん専用にしてあげるよ。それでどう?」

桜庭さんの言葉に慌てたのは桐生くんだった。けれど桜庭さんは桐生くんに口を挟ませなかった。納得したのは愛さんだけだった。彼女が去ると桐生くんが桜庭さんに詰め寄った。

「桜庭さん……! なんであんなこと……」
「愛ちゃんはエースだろ。お前にとっても店にとっても。お前もそれがわかってるから痛客相手でも営業かけてるんだろ」
「けど、恋人って思われるのは……」

口ごもる桐生くんに桜庭さんは溜息を吐いてタバコを取り出した。煙が広がって、その中で桜庭さんの眼光が鋭くなる。

「お前、んな甘い考えでホスト務まると思ってるのか? 最初に教えたはずだ。売上を取ることだけ考えろって」
「それは……」
「とにかくお前は店に出ろ。告知なしで休ませるわけにはいかないからな」

桜庭さんの言いたいこともわかった。きっと桐生くんがいる世界は、そのお店はそれを徹底しているのだろう。何度目かの「本気の恋愛は禁止だ」という言葉に私は小さく喉を鳴らした。ホストの中でも厳しいところにいる人なのだと。それでも桐生くんは引かなかった。

「それでも俺は、彼女が好きです」
「本気……なんだな」
「……はい」
「……わかった。それじゃあ一つ条件を出す」
「えっ?」
「今日の売り上げ、昨日の二倍取れ。愛ちゃんがいない分もカバーできるとこ見せてみろ。そうしたら、お前の本気を認めてやらないこともない」

その瞬間、桐生くんの目の色が変わった。私に背を向けてお店に歩き出す。思わず呼び止めると、桐生くんは必ず二倍取ると言って、夜の街に消えて行った。


本日のシナリオ公開はここまで☆
次回更新をお待ちください☆

※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。



2017年5月31日発売
禁断情事:ホストと私
出演:皇帝 ほか
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