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【ブーケ】禁断情事:ホストと私 シナリオ公開(8)


お待たせいたしました!
ドラマCD「禁断情事:ホストと私」のシナリオ公開を更新です☆

今回も正海春人先生が読みやすく、小説風に書き換えてくださってますよ☆

通常版出演

皇帝/伊藤ヒロ/泥左衛門/飯田 進/横良 翔/船木ふな
金剛山寿一/小山田 樹/秦 弥助

ステラワース限定版出演

皇帝/船木ふな

連動購入特典出演

皇帝/伊藤ヒロ


Part.8「会いたくて、会いたくなかった人」

愛さんと別れてから桐生くんは私を部屋に連れて来てくれた。焦燥の色を浮かべて手当をさせてほしいと言われて、断り辛いものもあった。それが軽率だったのかもしれない。手当を終えても桐生くんは私の手を離さなかった。そしてそれは突然だった――。

「……好きだ」
「なっ……いきなりどうしたの?」
「っだから、いきなりじゃねえって言ってんだろ。……今の俺が言っても伝わらないか?」
「……え、営業トークなのかなって」
「営業者ないんだけどな……。まあ、そう思われても仕方ないけど」
「ごめん……」

私が一言そう言った瞬間、握られていた手を強引に引かれて、私はそのまま桐生くんの胸に閉じ込められた。

「これでも信じられねえ? 俺、すげえドキドキしてんだよ。もうずっとだ……」
「…………」
「……さっき、緊張してるって話した時、本当はこうしたかった。俺がどんだけお前のこと意識してんのかわかってほしくて、何度も抱きしめたくなった」

私は震える声でいつから想ってくれていたのか尋ねた。そんな素振り全くなかったから。桐生くんは私を抱きしめたまま「高校の時から」と呟いた。同時に「どうしていいかわからなかった」とも。どうしてかと聞いたら悲しそうに笑う声がした。

「ほんとはさ、お前は一番会いたくなくて、一番会いたかった人だから」
「えっ……」
「ホストの俺はお前には見られたくない姿だったってこと。でも再会したら嬉しくて、また会いたくて必死になった……。けどお前から連絡はなくて……やっぱり俺には会いたくなかったのかって……」
「そうじゃないの……」

私は連絡できなくなった経緯を話した。すると何かに納得したように桐生くんは頷いた。聞けば最近桜庭さんから頻繁に連絡があるらしい。それは監視されていると感じるほどのものだと。

「それならこんなことしてる場合じゃ……」
「離さねえつったろ。今はそんなのどうだっていい」

焦る私を逃がさないように桐生くんはきつく抱きしめた。

「ようやく言えたんだ。何の答えも貰えないままなんて絶対に嫌だ」
「桐生くん……」
「答えをくれるまで……このままだ。お前は俺のこと、どう思ってんだよ……。昔は……放課後とか、結構一緒にただろ」

桐生くんの声が微かに震えてるみたいだった。言ってしまっていいのか迷ったけど、私も今の気持ちを正直に話すことを決めた。

「私も、好きだったよ」
「……っ、本当か?」
「……でも、桐生くんと恋愛できる自信はないんだ」
「それは、今の俺は好きじゃねえってことか?」
「そんなことない」

気持ちが昂って言ってしまった。恋愛できる自信もないのに好きだなんて言うべきじゃなかったのに。そんな私の迷いを桐生くんは気づいていたのかもしれない。桐生くんは私の迷いを断ち切るように気持ちをぶつけてくれていた。


本日のシナリオ公開はここまで☆
次回更新をお待ちください☆

※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。



2017年5月31日発売
禁断情事:ホストと私
出演:皇帝 ほか
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