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【ブーケ】禁断情事:執事とお嬢様 シナリオ公開(11)


お待たせいたしました!
ドラマCD「禁断情事:執事とお嬢様」のシナリオ公開を更新です☆

今回も正海春人先生が読みやすく、小説風に書き換えてくださってますよ☆

通常版出演

平井達矢/TOSAKA/神月あおい/鞠男.net/笹崎こじろう

ステラワース限定版出演

平井達矢/TOSAKA

連動購入特典出演

平井達矢/TOSAKA/鞠男.net/笹崎こじろう


Part11「曝け出した想い」

真面目で心を乱すところを見せない小林が、一瞬見せた本音。けれど、私が追求する暇もなくお酒を飲み干して切り上げようとしていた。
今何も話せないままこの部屋を出て行ってしまったら、小林は二度と本音を見せてくれない気がする。
選択肢はない。小林が何も話してくれないのなら、私が本心を曝け出すだけだった。それは小林がこの屋敷を出ると、父に相談しているのを聞いた時から繰り返し心の内で訴えていたもの。

「ここを、出て行かないで」
「……それは、私に執事を続けろということですか?」
「私が嫁ぐ覚悟ができたのは、小林がいつもいてくれるから……」
「……っ」

羞恥心はなかった。今踏み出さなければ、一生後悔する。
遠山の言っていた『一生の恋』はきっと、今目の前の人に向いているから。

「お願いだから……ずっと私の傍にいて」

必死に訴えると小林はぐっと拳を握った。返ってくる声はただただ切ない。
「……あなたは酷い方だ。私が一番欲しい我儘で私を縛る……」
「…………」

小林が欲しい我儘……。
それがもし、私の望むものならと思うと、小林を苦しめるとわかっていても引くことはできなかった。

「お願い……隠し事なんてやめて。あなたの心を全部見せてほしいの」
「私の心になど、触れない方がいい……。この心は汚れています。秘密を抱えた心など、あなたに渡してはいけないんです……」
「……っ、それでも教えてほしいの。じゃないと安心して結婚なんてできないわ」

こんなに縋るように願ったのは生まれて初めてだった。けれど言葉は最初からわかっているかのように出てくる。必死だった。
それが伝わったのか、小林が辛そうに微笑んだ。

「ずるい方だ……私を地獄へ落とすおつもりですか?」
「最後の、我儘だから……」

時計の針の音がやけに響く。沈黙が長く感じる。何か言って、と何度も何度も心の中で呟いて、小林の答えを待った。
しばらくすると、小林は小さな溜息を吐いて私に向き直った。

「小林……?」
「…………お慕いしています、お嬢様」

短い告白だった。けれど、それは私を突き動かすには十分すぎるものだった――。


本日のシナリオ公開はここまで☆
次回更新をお待ちください☆

※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。
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