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【ブーケ】禁断情事:執事とお嬢様 シナリオ公開(8)


お待たせいたしました!
ドラマCD「禁断情事:執事とお嬢様」のシナリオ公開を更新です☆

今回も正海春人先生が読みやすく、小説風に書き換えてくださってますよ☆

通常版出演

平井達矢/TOSAKA/神月あおい/鞠男.net/笹崎こじろう

ステラワース限定版出演

平井達矢/TOSAKA

連動購入特典出演

平井達矢/TOSAKA/鞠男.net/笹崎こじろう


Part8「特別な気持ち」

涙が止まらなかった。
小林がいなくなる。
その話は私の心を抉っていった。
この屋敷にはいつだって小林がいるのだ。私の専属になってからの十五年間は顔を合わせない日はなかった。真面目で厳しくて、優しくて、いつも私の傍に居てくれた。そんな人が突然いなくなるなんて考えるだけでも辛かった。
一度緩んだ涙腺はなかなか戻らない。そんな私に遠山は焦ったように「まいったな」と呟いて、そして何かを思い出したようポケットを漁った。

「お嬢様、コレ、俺からプレゼントです」
「……何よ、これ」

渡されたのは小さな袋。それは数個繋がっているのか折りたたまれた状態で渡された。

「これは女性を守る大切なものですよ。ご結婚が決まった今、女性もこういうものを持つのはエチケットです」
「結婚のことは言わないで」
「はは……申し訳ございません。じゃあもう一つこいつの役割を教えて差し上げます」
「役割……」
「これは女性が積極的に動けるお守りでもあるんですよ。本当に想う相手がいて、どうしても手を伸ばしたいのなら、こいつの存在があとは支えてくれますから」

ちらりと折りたたまれた中身を見ると、それはいつだったか恋人持ちの同級生が持っていたもので遠山の言葉が何を指しているのか、なんとなく理解した。
涙が引くと遠山が探るように私に尋ねた。

「……お嬢様は、本当にこのまま花沢の坊ちゃんのお嫁さんになるんですか?」
「覚悟はしてたわ」
「覚悟してたのが揺らいだのはどうしてですか?」
「…………」

遠山の質問は、この気持ちの答えに近づけようとしていた。たしかに小林の件を知るまでは花沢さんの家に嫁ぐことを覚悟していた。けれど、今は固めた決意がガラガラと音を立てて崩れていく。
その中にあったものは、小林への特別な気持ちだった――。


本日のシナリオ公開はここまで☆
次回更新をお待ちください☆

※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。
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出演:平井達矢 ほか
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