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【ブーケ】禁断情事:執事とお嬢様 シナリオ公開(7)


お待たせいたしました!
ドラマCD「禁断情事:執事とお嬢様」のシナリオ公開を更新です☆

今回も正海春人先生が読みやすく、小説風に書き換えてくださってますよ☆

通常版出演

平井達矢/TOSAKA/神月あおい/鞠男.net/笹崎こじろう

ステラワース限定版出演

平井達矢/TOSAKA

連動購入特典出演

平井達矢/TOSAKA/鞠男.net/笹崎こじろう


Part7「涙の理由」

その夜、私は自室で荒れていた。これも生まれて初めてのことだった。成り行きで私に付き合うことになった遠山が困り顔で大きな溜息を吐いた。

「お嬢様、飲みすぎです」
「……何よ」

グラスにあるお酒を飲み干して、私を窘める遠山をじろりと見た。
全ては昼間、父の部屋に行った時におこった出来事のせいだった。父の部屋をノックする寸前で、小林の声が聞こえてきたのだ。それはこの屋敷を出るというもので、何の相談もされていなかった私は、心の整理がつかずにいた。
遠山はそんな私に付き合って、我儘を聞いてくれている。知れたらきっと大目玉なのに。

「……いくら今月二十歳を迎えると言っても若い娘がそんな勢いで酒を煽ったらろくなことになりませんよ。本当は駄目なんですよ? というか、お嬢様、酒乱なんですね……。人前で飲むときは気を付けてくださいよって……聞いてないか……」
「…………」
「はあ……それで、お嬢様が荒れているのは小林の件ですか?」

不意を突かれた。心にある靄をかき消されたような。
思わず顔を上げると遠山はニッと笑った。

「……もしかして全部知ってたの?」
「まあ、なんとなくですけどね。小林が仕事を辞めるかもってことは、俺もぼんやり予想してただけなんで」
「それなのにお父様のところにいるって言ったのね……あなたって意地悪なのね」
「えー、むしろ褒めてほしいですよ。小林の説教覚悟で教えてあげたんですから。小林は、お嬢様が嫁ぐのを見届けて、何も言わず辞めるつもりだったと思いますよ」
「そんな……」

小林の考えがわからない。
今まで何でも話してくれていた。ましてや屋敷を出るという話なら、なおさら私に話してくれてもいいはずだ。
黙ったままそんな大切なことを決めてしまうなんて。小林の人生に私は無関係なんだと、突き付けられた気分だった。
あとからあとから溢れてくる涙の理由を、私はひたすら考えていた――。


本日のシナリオ公開はここまで☆
次回更新をお待ちください☆

※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。
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出演:平井達矢 ほか
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