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【ブーケ】禁断情事:執事とお嬢様 シナリオ公開(4)


大変お待たせいたしました……!
ドラマCD「禁断情事:執事とお嬢様」のシナリオ公開を更新です☆

今回も正海春人先生が読みやすく、小説風に書き換えてくださってますよ☆

通常版出演

平井達矢/TOSAKA/神月あおい/鞠男.net/笹崎こじろう

ステラワース限定版出演

平井達矢/TOSAKA

連動購入特典出演

平井達矢/TOSAKA/鞠男.net/笹崎こじろう


Part4「父の嘘」

翌日、父が出張から帰ってきた。いくつも会社を経営する父はいつも多忙で家にいることの方が少ない。その分家にいる時はなるべく私との時間を作ってくれるのだ。今回も外食に誘ってくれて、私は小林の見立ててくれたドレスを着て、約束のレストランに向かった。

「ああ、こっちだよ。すまないね、ここでの待ち合わせになってしまって」
「ううん」

レストランに着くと、父が笑顔で迎えてくれた。
けれどそこには父以外の人もいて、困惑を隠せない。今日は久しぶりに二人での食事だと思っていたから。

「お父様、これって……」
「ああ、今日はお前に紹介したい人がいるんだ。まあ、座りなさい」

私は言われるままに父の隣に腰かけた。目の前の男性は初めて会う人で、何故そんな人がいるのか到底理解は追いつかない。それに誰かが一緒なら父は必ず前もって連絡をくれていた。
父はその人に「待たせたね」と声をかけた。きっと以前から約束をしていて、そして今日も随分長くここで待っていたのだろう。父と相手の前には空になったコーヒーのカップが置いてあった。

「お父様、この方は……?」
「そうだったね、紹介しよう。こちら、花沢会長のお孫さんで幸弘くんだ」

『花沢』という名前には聞き覚えがある。たしか父の会社とも付き合いのある大手の化粧品会社だ。
目の前の男性は人懐こい笑みを浮かべていた。仕立ての良いスーツとその穏やかな雰囲気は明らかにお坊ちゃんだ。悩みのなかった時の私によく似ている。きっとこの人も今まで迷いなく生きてきたのだろう。

「初めまして、花沢です。お会いできるのを楽しみにしていました」
「初めまして」
「本当に美しい方ですね。まだ学生と聞いていたので……その、少し幼い感じをイメージしていました」

花沢さんは頬を赤らめていた。もしかして気に入られているのだろうか。使用人以外の男性と関わることが今までなかったせいで、こういう時の男性の反応に素直な反応ができない。曖昧に笑っていると父が満足そうに花沢さんに話しはじめた。

「たしかにまだ幼いよ。だが教育係につけている執事が有能で……親の私が言うのもなんだが、どこへ出しても恥ずかしくない自慢の娘なんだ」
「自慢もされたくなるでしょう。こんな美しい宝石にお目にかかれるとは思っていませんでした。ましてや僕の婚約者になる方だと思うと、なんだか緊張してしまうな……」

婚約者という言葉に全身が硬直した。

「婚約者……?」
「ああ、こちらの幸弘くんはお前の婚約者になる人だよ。今日は彼に合わせたくてね」

父は機嫌よく話した。

「婚約者、というよりもうお嫁さんですね。婚約期間もそんなにありませんし。あなたの卒業が今から楽しみだ」

花沢さんは嬉しそうに話した。
私だけがこの空気についていけなかった。
二人とも婚約が成立したというように、嬉しそうにグラスを重ねていた――。


本日のシナリオ公開はここまで☆
次回更新をお待ちください☆

※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。
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