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【ブーケ】禁断情事:執事とお嬢様 シナリオ公開(3)


大変お待たせいたしました……!
ドラマCD「禁断情事:執事とお嬢様」のシナリオ公開を更新です☆

今回も正海春人先生が読みやすく、小説風に書き換えてくださってますよ☆

通常版出演

平井達矢/TOSAKA/神月あおい/鞠男.net/笹崎こじろう

ステラワース限定版出演

平井達矢/TOSAKA

連動購入特典出演

平井達矢/TOSAKA/鞠男.net/笹崎こじろう


Part3「支えてくれた小林の言葉」

夕食を終えて就寝の準備をした頃、扉をノックする音が響く。
小林が就寝前のハーブティーを持ってくる時間だ。いつもなら好きなひと時で、一番ほっとできるけど今日はやっぱりそんな気分にはならなかった。それは入ってきた小林もすぐに気づくほどで。

「……やはり進路のこと、まだお考えなのですね」
「わかる?」
「ええ……お顔を見れば」

情けない。自分に苛立ちながら私は小林が用意してくれたハーブティーに口をつけた。温かくてほのかにレモンの香りもして、それは自然と肩の力を抜けさせた。

「ねえ、小林」
「はい?」
「小林は環境の変化って怖くない?」
「変化、ですか……?」
「今のまま過ごせれば一番いいのに……」
「それは随分と欲がありませんね。今のままでいいなんて……」

小林はそう言ったけど、私は今のままが良かった。学校で学ぶことは多いけど、このままなら将来に悩む必要もないのだから。駄目だとわかっていてもつい弱音が出てしまう。それを漏らすと小林は納得したように小さく息を吐いて、そして優しく私に微笑んだ。

「なるほど……お嬢様が進路に悩んでいるというのはそこが一番大きな悩みなんですね。変わってしまうのが怖いと……」
「ダメよね、こんなんじゃ」
「何故ダメだと思うのですか?」
「何となく……。変化は嫌だけど、取り残されるのも不安なのよ」
「なんでも悲観的に考えてはいけませんよ」
「だって……」
「……お嬢様、先ほどの進路のご相談ですが私は旦那様のお考えに賛成です」
「小林はお父様の味方だもの。そう言うのは当然だわ」
「違います!」

小林は強く否定した。
けれど私も小林に突き放されたような気がしたのだ。子供っぽい我儘だとわかっていても父の意見に賛成するのではなく、ただ優しく同意をしてほしかった。
肩を落とす私に小林はやれやれといった様子で口を開いた。

「就職し、社会を学ぶということは、人生において貴重な宝となるでしょう」
「宝?」
「ええ……経験こそ最大の知識であり宝です。多くの場所、多くの人から学んだとき、あなたは最高のレディになります」
「…………」
「生まれ持つ貞淑さと気品というドレスを纏い、キャリアという高級なヒールを鳴らして、胸を張ってあなたは人生を歩むのです」
「……そんな風に生きられるかしら?」
「もちろんです」

微笑む小林はいつもの優しくて信頼できる執事だ。まだ少し迷いはあったものの、小林の言葉は私を支えていた。


本日のシナリオ公開はここまで☆
次回更新をお待ちください☆

※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。
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