【ブーケ】禁断情事:執事とお嬢様 シナリオ公開(2)
- 2017年01月26日
- bouquet
大変お待たせいたしました……!
ドラマCD「禁断情事:執事とお嬢様」のシナリオ公開を更新です☆
今回も正海春人先生が読みやすく、小説風に書き換えてくださってますよ☆
通常版出演
平井達矢/TOSAKA/神月あおい/鞠男.net/笹崎こじろう
ステラワース限定版出演
平井達矢/TOSAKA
連動購入特典出演
平井達矢/TOSAKA/鞠男.net/笹崎こじろう
Part2「入浴の時間と小林の意見」
アフタヌーンティーが済んで、ヴァイオリンの稽古が始まる。小さい頃から習っていたピアノを一度止めて、ヴァイオリンを手に取ったのはほんの最近のことだった。
レッスンを終えるとちょうどバスタイム。入浴の準備をして私はお湯のはられたバスタブに身を沈めた。ピンク系の乳白色とそこから立つ香りが体を包む。
そうするとタイミング良く小林の声が扉の奥から響くのだ。
「お嬢様、ご準備はよろしいですか?」
「ええ」
「失礼します」
ジャケットを脱いでシャツの袖をまくった小林は、私の髪を洗うためにいつも傍で待機している。小さい頃から髪を洗ってもらうのは習慣で、ばあやが引退してからは小林がそれを任されていた。
「本日の香りはいかがですか?」
「やっぱりこの香りが一番好き」
「お嬢様はローズがお好きですからね。では、そのままゆっくりお寛ぎください。頭だけこちらへ」
小林の手にはタオル、液体の入ったボトル、クリームの入った容器を持っている。それが普通のシャンプーやリンスではないことをもう知っているので、それを見ると溜息が出た。私が好きな香りのもの使えるのは週に二回。あとは小林が勧める塩のシャンプーにお酢のリンスだ。
女の子は良い香りがする方が絶対に良いと思っていた私には、それの良さにはあまり興味がなくて度々唇を尖らせていた。その度に小林に諭される。
「髪の毛から甘い香りがする、というのも魅力的かもしれませんが、艶やかで美しい髪は誰の目にも留まります。日々のケアはお嬢様を世界で一番輝く宝石にするでしょう」
「女の子は良い匂いがする方がいいんじゃないの?」
「そこは主観の問題ですね。女性が良い匂いがする、というのも男の妄想だとも思いますし」
「あなたはどう思うの?」
「私の意見でよろしいんですか?」
「ええ」
「……たしかに女性が甘い香りを纏うのは男性を惑わすには効果的でしょう。ですが私に言わせれば見せかけの香りに魅力は感じません。女性らしいそれは、日々の生活で身につくものです」
厳しい。けれど小林が言うことならそうなのかもしれない。
私が通っている学校は幼稚園からのエスカレーター式で、そこに集まるのは女性だけだった。男性の意見を聞く機会もないのだから、小林の言葉は貴重なものだった――。
本日のシナリオ公開はここまで☆
次回更新をお待ちください☆
※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。
好評発売中
禁断情事:執事とお嬢様
出演:平井達矢 ほか
ご購入はこちら
ステラワース限定版のご購入はこちら