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【ブーケ】禁断情事:芸能人とファン シナリオ公開 Part 4『自然体で』


11月発売のドラマCD「禁断情事:芸能人とファン」のシナリオ公開を更新♪
9日間連続更新3日目です☆

脚本を担当してくださった「正海春人」先生が小説風に書き換えて下さってますよ☆

芸能人とファン キャスト

松浦 駿:土門 熱
藤堂リュウ:八王子タカオ
屋良:ワッショイ太郎
鴇田:バンジョー鯉乃助
清河:二階堂 剣

 


■Part4『自然体で』

大通りに面した店の前。オフィスに囲まれていて、この時間帯はそのビル群から漏れる光も僅かだ。時折車が流れる音を聞きながら、私はラストオーダーが終わったフードメニューの立て看板を下げていた。

――今日は、来ないのかな……。

最近店の片付けを始める時間になると松浦さんのことを考える。けれど顔を合わせない日が物足りないなんて不純すぎる。私はそれを追い払うように頭を軽く振ったのだけど――。

「あ。なんだ、今日いたんだ」

店の中から出てきたのは松浦さんだった。さっきまで考えていた人なだけに鼓動が大きく跳ねる。

「こ、こんばんは」
「こんばんは。今日は休みかと思った」
「さっきまで中にいましたよ」
「そうなの? レジにいなかったから気づかなかったな。何してるの? 片付け?」
「はい。フードのラストオーダーが終わったので」

私が持っていた立て看板に目を向けて松浦さんは心配するように視線を向けた。ただの店員なのに気遣ってくれて、気さくに話してくれるからいつの間にか私も普通に話してしまう。

「大丈夫ですよ。松浦さん、今日はテイクアウトなんですね」
「ああ、うん。店でゆっくりしていきたかったんだけど、今日はまだ仕事があって……宿題やらないと」
「宿題……」
「原稿のチェックとか、台本の確認とか、結構いろいろ溜まってる。コレ飲みながら家でやるよ」

溜息交じりに話す松浦さんの横顔は、いつもと少し違って見えて私は思わず呟く。

「……元気、ないですね」
「あ、うそ。そう見える?」
「えっと、ごめんなさい」
「? どうして謝ったの?」
「立ち入ったことを聞いた気がしたので」
「俺がそんな態度だったってことだろ? 気を遣わせてごめん。でも、なんか今の……嫌な気持ちはしなかった。友達を心配するみたいな感じで……」

覗き込むように微笑まれて、私の胸の音は大きくなった。
正体を知った当初は芸能人だから一歩距離をとって接していたし、かける言葉も当たり障りなく踏み込むことのないようにしていたのに。

けれどたしかにここ数か月と、そして今、私は彼に対して自然に思うことを話すようになっていた。それはまるで友達のような感覚で。

「俺にはそう聞こえたんだけど……これって俺の勘違い?」

嬉しい気持ちとくすぐったいような気持ちを抱えて、私は静かに首を左右に振る。松浦さんにも私の気持ちが伝わったのかもしれない。やっぱり、と言って優しく笑ってくれた。


今回の更新はここまで!
次回の更新は【 10月20日(木) 】!
お楽しみに☆

【SAMPLE入り】禁断ジャケ絵03_トリミング


2016年11月30日発売予定
禁断情事:芸能人とファン
出演:土門熱 ほか
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