【ブーケ】禁断情事:お義兄ちゃんと義妹 シナリオ公開(13)『見守るだけじゃ満足できない』
- 2016年06月19日
- bouquet
7月発売のドラマCD「禁断情事:お義兄(にい)ちゃんと義妹(いもうと)」のシナリオ公開を更新♪
脚本を担当してくださった「正海春人」先生が小説風に書き換えて下さってますよ☆
お義兄(にい)ちゃんと義妹(いもうと)キャスト
涼太 :佐和真中
小宮 充:八王子タカオ
神塚高司:椎名優
父 :お代官.様
母 :西野玖海
■シナリオ公開Part13『見守るだけじゃ満足できない』
「あー……ごめん。俺、ちょっと出かける用ができちゃったんだ」
電話は神塚さんからだったらしい。
お義兄ちゃんは神塚さんの家に行くと言い出した。
外はまだ雨だって降っている。突き放されたと思っても、一緒にいてほしくて私はいろんな理由を並べて、お義兄ちゃんを止めた。
「お義兄ちゃん、なんか変だよ……今日は久しぶりに昔に戻れたみたいで嬉しかったのに……」
「昔に戻ったみたいって言っても一緒に料理したくらいだろ」
「だから今日はもっと一緒に……」
「――だから、一緒にいるのは無理なんだって!」
「!」
笑って、『そうだな』って言ってくれると思っていた。
けれど返ってきた声は、苛立ちを交えたもので私はビクリと肩を揺らした。
「っ、そういうことはさ、彼氏作って彼氏とやることだと思うよ。映画もテレビも、そういう相手がいれば、一緒に見ることもできるだろ」
「私は、お義兄ちゃんと……」
「……俺はお前の彼氏じゃないだろ……俺じゃ、そういう存在にはなれないんだから……」
お義兄ちゃんがいれば彼氏なんていらない。
ずっと思っていることだった。曲げられない、否定できない気持ちは言葉になってしまった。
「私はお義兄ちゃんがいればいい……」
「いいわけないだろ!」
お義兄ちゃんは怒鳴って、そして掠れた声で呟いた。
「……無邪気なつもりだろうけど、残酷すぎるよ……」
「っ、せっかく……傷つけないようにしてたのに……本当に、大切だったのに……! もう……限界だ……」
一瞬、何が起きたのかわからなかった。
お義兄ちゃんの吐息を感じた時には、自分の唇が微かに濡れていた。
「……はぁ……なに、驚いた顔、してるんだよ……お義兄ちゃん、お義兄ちゃんって……そんなに俺が欲しいわけ?」
「……だったら、全部あげるよ。俺の気持ちも、俺自身も……んっ…………」
繰り返されるキスの間に、お義兄ちゃんは辛そうに呟いていた。
望んでいた関係。いつかそうやって触れてほしいと思っていたこと。
けれど、現実に起きた今、私はひたすら混乱して、唇から漏れた言葉は拒否の声だった。
「ダメ……? どうして……?」
「だって、私はお義兄ちゃんの妹だよ……」
「妹……? ははっ……妹、ね……。俺は……お前のこと、一度も妹だなんて思ったことなかったよ」
「あの日までは親の再婚でできた、ただ一緒に暮らすだけの、他人としか思ってなかったのに……あの日から一瞬で全部が変わった……」
突然語られたお義兄ちゃんの気持ち。信じられなくて息を呑んだ。
お義兄ちゃんが私を特別に想ってくれたのは、私が今でも大切にしている思い出のあの日からだった
「他人が……お前が、世界で一番大切な女の子になったんだ……」
「だから、お前がお義兄ちゃんって無邪気に頼ってくれるだけで、それだけで幸せだった……でも、もうそれじゃ足りないんだよ……!」
服に手をかけられて、肌が空気に触れる。それだけなら少しだけ肌寒いだけなのに、お義兄ちゃんの手が辿った箇所は、熱を持っていた。
肩や首筋に、お義兄ちゃんの唇が触れた。
想っていた人に触れられる喜びと緊張。そして慕っていた人の豹変に対しての恐怖心。
私はぐちゃぐちゃになる気持ちの中で、譫言のように『ごめん』と呟くお義兄ちゃんの声を聞いていた。
今回の更新はここまで!
次回の更新は【 6月20日 】を予定しています!
お楽しみに☆
※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。
商品紹介
2016年7月27日発売予定
禁断情事:お義兄(にい)ちゃんと義妹(いもうと)
出演:佐和真中 ほか
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お義兄ちゃんと義妹 Story
ある日、両親の旅行で義兄と2人きりで留守番をすることになった“あなた”。
2人きりで過ごせることを楽しみにする“あなた”だったが、義兄が深刻な様子で
親友の神塚に何かを相談しているのを目撃する。
2人きりの夜。食事の後、すぐに部屋に入ってしまう義兄。
一緒にいたい“あなた”は『一緒にアイスを食べよう』と部屋を訪ねるが、
しばらくすると義兄は神塚の家に行くと言い出す。
寂しそうな“あなた”を説得して出ていこうとするが……。
「俺の気持ちも知らないで……」
ついに抑えていた積年の想いを“あなた”にぶつける義兄。
押し倒された“あなた”は義兄の愛を知ることになる。
「本当にごめんな……」
“あなた”の耳元で聞こえてくるのは「謝罪」と狂おしいほどの「愛」の言葉だった――。
お義兄ちゃんと義妹 ステラワース限定版 Story
――「映画の続きと俺との続き、どっちがいい?」
想いが重なってから数日後。
朝寝坊する義兄の部屋に忍び込む”あなた”。
起こされた義兄は“あなた”と映画を見ようとするが、
部屋着姿に“あなた”に我慢できなくなる。
下には両親がいるが、義兄の行為はエスカレートして……。
「俺の声に弱いなんて嬉しいな……」
義兄に新しい弱点を見つけられて攻められる――。
連動購入特典 Story お義兄ちゃんと義妹Side
――「お前以外、考えられないから……」
ある日、両親の目を盗んで体を重ねていた2人。
義兄は“あなた”とこのまま秘密の関係で終わらせたくないと話す。
これから先も“あなた”と一緒にいるために、“あなた”を幸せにするために、
両親に打ち明ける決心をしたという義兄だったが……。
「決定的な場面見られてるんだから……言うことは一つだよ」
抱き合っている場面を見られてしまった義兄は選んだ行動は……。