【密カレ】隣人の彼とエレベーターの中で…… シナリオ公開(1)
- 2015年06月5日
- 密室に閉じ込められて、気になる彼にあんなコトやこんなコトをされちゃうシリーズ
いよいよ本日より、ドラマCD「密室に閉じ込められて、気になる彼にあんなコトやこんなコトをされちゃうシリーズ:隣人の彼とエレベーターの中で……」シナリオ公開開始です♪
そして、今回も前回に引き続き、ドラマCDのシナリオを担当して下さった「Hayami」様が特別版として「小説風」に書いてくださいました~☆
お楽しみください♪
「雨が降ったから」
作:Hayami
外は生憎の雨。
フロントガラスをしたたかに雨が叩く。
暗闇の中に規則的に並んだ街頭がぼうっとした灯りを灯し、車のヘッドライトに照らされた道路が濡れているのが見えた。
歩道を歩く人はまばらで、その後ろ姿をヘッドライトで照らしながら、俺の運転する車は前進する。
やっぱり、今日は車通勤にして正解だったな。
普段なら、電車で通勤しているものの、帰宅が終電を越えそうだったので、今日は車通勤を選んでいた。
結局、ギリギリ終電には間に合う時間に会社を出られたものの、雨がひどく、結果的に車通勤の方が良かったというわけだ。
ん……? あれは……。
駅のロータリーに見える女性の横顔に俺は驚いた。
俺が片思いをしている、マンションのお隣さんがそこに立っていたからだ。
彼女は傘を持っていないのか、屋根のあるところに立ち、恨めしそうに空を見上げている。
意を決したように、外に出ようとした彼女の前で車を止めると、助手席の窓を開けた。
「……!」
彼女は車が急に泊まり、窓が開いたのが不可解だったようで怪訝な顔をしている。
「あー、やはり、あなたでしたか。もしかして、傘持ってないんですか?」
少し白々しいかと思ったものの、俺は平静を装って言った。
「はい……」
彼女は少し驚いたように俺を見る。
「……良かったら、乗って行きませんか? 同じマンションですし、この雨の中、傘も差さずに歩いたら、風邪を引いてしまいますよ?」
「え、いいんですか?」
「当たり前じゃないですか。お隣さん同士、困った時は助け合わないと」
「すみません。ありがとうございます!」
彼女はほっとしたように頬を綻ばせた。
「今、鍵開けますね」
俺は車のドアの鍵をあけると、ドアを押し開けた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
彼女は笑顔でお礼を言うと、車に乗り込む。肩や髪についた雫がきらりと光る。
「シートベルトしました?」
発進前に俺が確かめると、彼女は言いづらそうに「まだ……」とだけ答えた。
「ちょっと、すみません」
俺はそう言うと、助手席に腕を伸ばし、シートベルトを引っ張った。
「この車、シートベルトを締めるのにちょっとコツがいるんです」
俺は助手席のシートベルトをバックルに入れながら言う。
「ありがとうございます」
「どういたしまして。では、行きましょうか」
俺はギアを入れると、車を発進させた。
シナリオ公開はここまで!
是非ゲットしてくださいね☆
※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。
2015年8月26日発売予定
密室に閉じ込められて、気になる彼にあんなコトやこんなコトをされちゃうシリーズ
隣人の彼とエレベーターの中で……
出演:ミノベサトル
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