【密カレ】同級生の彼と体育倉庫で……(出演:悠輝タクト) シナリオ公開(4)
- 2015年03月21日
- 密室に閉じ込められて、気になる彼にあんなコトやこんなコトをされちゃうシリーズ
ドラマCD「密室に閉じ込められて、気になる彼にあんなコトやこんなコトをされちゃうシリーズ:同級生の彼と体育倉庫で……」のシナリオ公開 第4回です!
そして、今回もシナリオはドラマCDのシナリオを担当して下さった「Hayami」様が書いてくださいました~☆
お楽しみください♪
「ヒミツの場所は立ち入り禁止」
作:Hayami
「そういえば、まだあるかなー?」
雅也は話をそらすように言うと、壁の方へ歩いて行った。
何を探してるんだろう……?
私が不思議に思っていると、雅也は突然しゃがみこんだ。
「確か、ここら辺だったような……」
私は雅也の後ろ姿をぼんやりと見る。高校生の頃は当たり前のように見ていたこの後ろ姿も今では遠くなってしまった。久々に見た彼の後ろ姿は高校生の頃よりも少し広くて、頼り甲斐があるように見えるから不思議だ。あの頃と私たちは変わってしまったということだろうか。
「あーっ! あったあった!」
私が物思いに耽るのを遮るように、雅也の嬉しそうな声が聞こえ、私は現実に戻される。
雅也は笑顔で私の方を振り向いた。
「ねぇ、これ見て! 僕たちがしたラクガキ、まだ残ってる!」
雅也が指差した壁には何かが書かれているようだった。
「ホント?」
私は少し嬉しくなって、急いで雅也の近くに行った――はずだった。
「きゃっ!」
急いでいたからか、床に敷いてあったマットのヘリに躓いてバランスを崩し、私はそのまま、雅也の上に倒れ込んでしまった。
「おわっ! だっ、大丈夫!?」
「ごめん! 大丈夫……!」
私は雅也の上に馬乗りになったまま、慌てて上体を起こす。
ヤバイ……! 絶対、重いって思われたよね……。
私が後悔と申し訳なさでいっぱいになっているのを知ってか知らずか、雅也は息を吐いた。
ああ、やっぱり、重いって思われたんだ……。
「良かったぁ」
「え?」
雅也のほっとしたような声に、さっきの溜め息は安堵の息だったということに気が付く。私が安心したのも束の間、雅也は突然、肩を震わせ始めた。
「どうしたの……? あ、ごめん、重たいよね……!」
私が雅也の上から退こうとすると、雅也は声をあげて笑い出した。私は思わず動きを止めて、雅也をまじまじと見る。
「あはは、コケるなんて、どんくさいなぁ」
「ひどーい!」
「うーそ。そういう抜けてるとこも可愛い」
雅也はまっすぐに私を見て言う。私は恥ずかしくて、視線を逸らした。
「怒っちゃった? それとも照れちゃった? ねぇ、こっち向いてよ」
雅也は私の頬にそっと手を添えると、俯く私の顔を自分の方に向けた。
けれど、私は彼を直視することが出来ずに、視線だけを逸らしてしまう。
「顔、真っ赤。薄暗くてもわかるよ。だって、触れた頬が熱くなってる――」
雅也に触れられた部分だけが、やたらと熱を帯びていく気がしていた。
高校生の頃は、雅也の大きな手に触れられることは、別に珍しいことじゃなかったのに……。
時間が経った分だけ、私は彼にときめいているのかもしれない。
「こっち向いて……」
雅也の言葉に促され、彼の方を見る。雅也の瞳を直視することは出来ないと思っていたのに、視界に入った彼の真っ直ぐな眼差しをしっかりと受け止めなければ、とふいに思った。
「あのね……。僕、君のことが……」
そう言う雅也の目は今まで見たことがないほど真剣だった。
今回のシナリオ公開はここまで!
次回更新をお待ちください♪
※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。
2015年4月29日発売予定
密室に閉じ込められて、気になる彼にあんなコトやこんなコトをされちゃうシリーズ
同級生の彼と体育倉庫で……
出演:悠輝タクト
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