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【密カレ】同級生の彼と体育倉庫で……(出演:悠輝タクト) シナリオ公開(2)

ドラマCD「密室に閉じ込められて、気になる彼にあんなコトやこんなコトをされちゃうシリーズ」同級生の彼と体育倉庫で……の

シナリオ公開 第2回です!
そして、シナリオはドラマCDのシナリオを担当して下さった「Hayami」様が書いてくださいました~☆

お楽しみください♪


「再会は突然に」2

作:Hayami

私と雅也は校内を歩きながら、他愛ない会話を続けていた。

「そう言えば、文化祭には一人で来たの?」

「うん」

「僕も。急に来たくなって、予定変更して来ちゃった。もしかしたら、君に会えるかも……って思ったっていうのもあるけど」

「えっ……」

予想外の雅也の言葉に私は彼の顔を見上げた。そんな私を見て、雅也はくすりと笑う。

「冗談だよ、冗談」

「もう! からかわないでよ」

口を尖らせ言う私に雅也は笑いながら、私の頭をぽんぽんと撫でた。

「ごめんごめん。でも、君って、つい、からかいたくなっちゃうんだよね。表情がコロコロ変わって、反応が楽しいんだもん」

悪びれる様子もなく、雅也は楽しそうだ。

「バカにしてるでしょ」

「バカにしてないって。僕は褒めてるの!」

そうは言うけれど、私は腑に落ちなかった。

絶対、バカにしてる……!

「わかりやすいって、大事だと思うよ。君のそういうとこ、いいなーって思うし。どう言ったら、わかってくれるかなー? うーん……。『愛すべき長所』だって思ってるって言えばいい?」

雅也は拗ねて口を尖らせたままの私の顔を覗き込む。

「……ホントに?」

「ホントだよ! 君のそういうとこ、昔からいいなって思ってたもん」

なんか、上手く言いくるめられているような気もするけど……。

「じゃあ、そういうことにしておいてあげる」

「えー? 疑ってるでしょー? 僕は嘘、つかないからね?」

「はいはい」

私は悪戯っぽく笑う雅也をあしらうと、廊下のあちこちに施された装飾に視線を向けながら、私は高校生だった頃のことを思い出す。私を拗ねたり、怒ったりさせて、楽しんでいた高校生の雅也の顔がすぐに浮かんだ。

そう言えば、雅也はいつも私をからかって、嬉しそうにしてたっけ……。

「こういうやりとりも懐かしいよね。高校生の頃、口を開けば、君のこと、からかってた気がするもん。よくクラスのみんなにさ“仲が良いよね”とか“付き合ってんの?”とか言われたなぁ。まぁ、今考えたら、僕たち男女じゃありえないくらい仲良かったよね」

「ホント、懐かしいね」

高校生の頃はよくこんな風にバカなことばっかり言い合ってたもんね。またこんな風に笑い合える日が来るなんて、思ってもみなかったなぁ……。

「……それにしても、不思議だなぁ。こうやって、少し話しただけで、連絡取ってなかった時間があっという間に消えてくっていうか、あの頃は楽しかったなー、こんなことあったなーって、懐かしくなるにつれて、だんだん昔の空気感に戻っていくっていうかさ。隣に君がいて、僕と君がこの校舎にいる……。ホント、いっぱい時間が経ってるはずなのに、高校生の頃と何も変わらない気がする」

「わかる!」

雅也が自分と同じことを考えていたことが嬉しくて、つい大きな声で返事をしてしまった。私は慌てて、口を押える。通りすがりの在校生が振り返り、恥ずかしかったけれど、気にしてない振りをして続けた。

「不思議だよね。私も同じこと思ってたよ」

「ねぇ、折角だから、文化祭、二人で回ろうよ」

「うん!」

私は雅也にっこりと微笑んだ。

「よーし! そうと決まれば、僕らならではの回り方をしよう!」

「どういうこと?」

「屋台とかやってる教室を回っていくんじゃなくて、懐かしい場所を回るの。どうせ、この時間はどこもかしこも混んでるでしょ。屋台回ったり、展示を見たりっていうのは、もう少し後にした方が、効率的でしょ? ね、行こっ!」

怪訝な顔をする私に雅也は少し照れくさそうに言った。

なんだか、夢みたい……。

私はありふれた日常に突如起こった奇跡的な出来事の連続に胸を高鳴らせていた。


 

今回のシナリオ公開はここまで!

次回更新をお待ちください♪

※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。

2015年4月29日発売予定
密室に閉じ込められて、気になる彼にあんなコトやこんなコトをされちゃうシリーズ
同級生の彼と体育倉庫で……

出演:悠輝タクト
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