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【わるまほ】白雪姫編 シナリオ公開(1)

大変お待たせいたしました☆
ドラマCD「わるい魔法使いに姫が略奪されてしまいました」のシナリオ公開を開始しました♪

おとぎ話の「もしも」の結末を描く“わるまほ”シリーズ、第3弾は『白雪姫』。毒りんごを食べてしまった姫が王子様のキスで息を吹き返す――そんなオリジナルの結末をアレンジしてお届けします。


届け物をする為、魔法使いの部屋を訪ねるあなた。
ノックをしてみるも、

「……んだよ、今取り込み中」

中から聞こえてきたのはいつも以上に不機嫌な声。
“届け物だから置いたらすぐ戻るよ”

「届け物ォ? チッ……開いてる」

ドアを開け、中へ入ると……
とても不機嫌な様子で鏡の前に立っている彼。
“どうしたの……?”

「どうもこうもねーよ。この鏡が……
『この世で一番美しいのは誰だ』って聞いたら
お前だって答えやがんだよ。
信じらんねえ……どう考えても俺だろ。
っかしーな……昨日までは普通に俺だったのに。
昨日と今日で何が違えっつうんだよ……」

いろんな角度から鏡を真剣に見つめる彼。
『昨日と今日で違うこと』に思いを巡らせ、あなたはある事を思い出す。
“……そう言えば今日、私の誕生日だったかも”
すると彼は驚いた顔であなたのほうを見る。

「…………は?」

“誕生日。……関係ないかな?”

「え、お前の誕生日って今日なのか?」

“う、うん……”
何か焦った様子なのは気のせいだろうか。

「まじか、今日か…………じゃねえよ!
んじゃ何だ? 何歳になったんだか知らねえけど、
誕生日迎えて、遂に俺は追い抜かれたってことか?
この世で一番美しいのはお前だって?
信ッッじらんねえ……」

がっくりと肩を落とす彼。
自分が一番だとは思えないし、魔法の鏡がどうして自分が選んだのかも分からない。
戸惑いつつも、“兄さんが一番かっこいいと思うな”とフォローすると、
彼はパッと顔を上げて。

「……! は、はあ?
んなモン当たり前だろ。俺がカッコイイのなんて
お前に言われるまでもねーし……!
ま、まあお前もそこそこ?
悪くねぇんじゃねえの? 俺の次に、だけど!
あ。ていうかお前、
届け物あるとか言ってなかったか?」

この部屋を訪ねた理由を思い出し、持っていた手紙を見せる。
“この手紙、持って行くように頼まれたから”

「手紙ィ? どうせまた食事会だか舞踏会だか
ワケわかんねー集まりの招待状だろ? 破って捨てとけ」

“でも……”
預かった手紙を勝手に捨てる訳にはいかない。
戸惑っていると、彼がこちらへ近づいてきて。

「わーかってる。あの女は俺に行って欲しいんだろ。
お前から王位を奪って、俺を『王子サマ』にする気満々だし。
じゃなきゃ普通こういうのは、俺と違って
国王とちゃんと血ィ繋がってる奴の仕事。
――で、お前は何してんだよ?
姫としての仕事もさせて貰えず、届け物?
そんなのそこらへんのメイドと同じじゃねえか」

意地悪な口調でそう言われたけれど、
実はあまりこの仕事を嫌だとは思っていなかった。
諦めもあるのかもしれない。それを伝えると彼は呆れた顔をした。

「……あっそ。
メイド扱いが気に入ってんなら、
もうそのままなっちまえばいいんじゃね?
あ…………待てよ。それいいかもな!
お前、俺専属のメイドになれよ」

途端に目を輝かせ、ぐっと距離を詰めてくる。
あっという間に壁に追い詰められて……――。


今回のシナリオ公開はここまで☆
次回は【 6月17日(水) 】を予定しています☆
お楽しみに♪

※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。

2015年7月29日発売予定
わるい魔法使いに姫が略奪されてしまいました
白雪姫編

出演:柊三太
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