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【わるまほ】第1弾:眠れる森の美女 シナリオ公開(3)

おとぎ話の「もしも」の結末を描くわるまほシリーズ、第1弾は『眠れる森の美女』。悪い魔女の呪いによって眠ってしまった姫を、王子がキスで目覚めさせる――そんなオリジナルの結末をアレンジしてお届けします。
当作品の魔法使いは、赤子の頃からあなたに仕える側近。兄代わりとしてあなたを見守り続けてきた彼には、ひた隠しにしてきた秘密が――……。

魔法使いは、会話の中であなたの気持ちが自分に向いていることを悟りますが……?
CDでは「姫(あなた)」視点で物語が進行しますが、こちらでは特別に「魔法使い」視点を公開します。 ※台詞はCDと同じものになります。

▼▼▼

頑なに縁談は嫌だと言う彼女。
ふとある可能性に思い当たった。
誰か想う相手がいて、それ故に隣国の王子との縁談に難色を示しているのではないか……。
それを口にすると、彼女は動揺した様子を見せた。

「……なんだそうなのか」

違うと繰り返し、子どものように服を引っ張る。
あまりに分かりやすい反応に思わず苦笑した。

「そんなに慌てて否定しなくてもいい。なんだそうか、そうだったのか。……寂しいものだな、昔は『将来はお兄ちゃんと結婚する』なんて言ってくれたのに」

そう言うと彼女はぴたりと手を止めた。
覗き込んだ顔がみるみるうちに赤くなる。

「……何耳赤くしてるんだよ。まさか、まだそんな子どもみたいなこと言い出す気じゃないよな」

何気なく言った言葉を後悔した。
俯き黙ってしまった彼女から、気持ちを汲み取るのは簡単だった。
だから、諭すように拒んだ。

「お前が俺を慕ってくれているのは知ってる。でもお前の気持ちは、恋愛のそれじゃない。……ごめんな。俺がもっとちゃんと線引きすれば良かった。一緒にいる時間が長すぎて、城という狭い世界しか知らないお前は、自分の気持ちを恋だと勘違いしてるだけだ。……少し冷静に考えれば、すぐに目が覚める」

服を掴む手が小さく震えた。
彼女を傷つけている自覚はあった。けれど、俺の気持ちはどうあれ、隠してきた秘密のことを考えれば彼女の気持ちを受け入れることは出来ない。

「…………お前は俺を好きになっちゃいけない。俺も、お前のことだけは…………好きになりたくない」

駆けだす足音。唇を噛んで、遠くで閉まる扉の音を聞いていた。

▲▲▲

シナリオの一部を抜粋してお届けしました。
今回のシナリオ公開はここまで!
次回の更新は、【 2月21日(土) 】を予定しています!
お楽しみに☆

※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。

2015年3月25日発売予定
わるい魔法使いに姫が略奪されてしまいました
第1弾:眠れる森の美女編

出演:村上たつや
ご予約はこちら ステラワース限定版のご予約はこちら

2015年5月27日発売予定
わるい魔法使いに姫が略奪されてしまいました
第2弾:シンデレラ編

出演:櫻井真人
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2015年7月29日発売予定
わるい魔法使いに姫が略奪されてしまいました
第3弾:白雪姫編

出演:柊三太
ご予約はこちら ステラワース限定版のご予約はこちら

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