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【かれピロ】同い年彼氏と終電を逃した夜に♡編コラボCD シナリオ公開(3)

お待たせいたしました☆月刊Cheese!とのコラボCDのシナリオ公開更新しちゃいます☆

今回もHayami先生が読みやすくかきかえてくださってますよ☆

さらに!今回のシナリオ公開はロングボリュームです♪

 

彼はキッチンからケーキと淹れたてのコーヒーを持って戻ってきた。


 

「はい、ケーキと、それにコーヒー」

「ありがとう」

“あなた”の前にあるローテーブルに彼はケーキとコーヒーを置くと、隣に座った。

“あなた”と彼はケーキを食べ始める。

「うん、やっぱり美味しい!」

「そうか? よかったな。お前って、本当に美味そうに食うよな」

2人は無言のまま、フォークを動かす。時折、皿に当たるフォークの音が耳に届いた。

「…………音楽でも流すか」

沈黙が気になったのか、彼は立ち上がると、コンポの電源を入れ、音楽をかけた。

「あの、ミルクとお砂糖あるかな…… ?」

立っている彼に“あなた”は遠慮がちに訊いた。

「ん、砂糖はあるけど、ミルクはないな…… 俺はふだん、ブラックしか飲まないから」

「えっと、実はブラックコーヒー苦手で……」

言いづらそうに“あなた”は言う。彼と視線を合わせるのが気まずくて視線をそらした。

「ブラックが苦手って。お前、なら紅茶にすればよかったのに…… 遠慮しないで、好きな方選べよ」

「ご、ごめん」

「いや……別に、謝ることはない。気づかなかった俺も悪いからな……」

彼のストレートな物の言い方に“あなた”はほんのちょっと不安を覚えた。

「……私のこと嫌いになった?」

「は? いきなり嫌いになるわけないだろう。どうして、そう思うんだよ」

彼は驚いたように“あなた”を見る。その反応に“あなた”はきょとんとした。

「だって、なんか……」

「……ああ、いや……俺の態度が悪かったんだよな。誤解させて、悪かった。……彼氏なのに、お前にばっかり遠慮させてた自分に腹が立っただけ。……お前、俺に合わせようとしてくれてたんだろう。さっきも……俺の好みを知ろうとして聞いてくれたんだよな」

「さっき?」

彼の言葉の意味がわからずに、“あなた”は鸚鵡返しに問うた。

「どっちの服装がいいかって、散々聞いてきた。あの時は、わざわざ俺の好みに合わせなくたっていいのにと思った。……もちろん、今もそう思ってる。俺は、ケーキ食べて嬉しそうにしてたり、好きな服を着て輝いてるお前が、好きだから。けど、相手に喜んでほしいから、相手のこともっと知りたいって思うのも、当然だよな。俺もそう思ったから、ケーキ選ぶの迷ったしさ。……もっと、お前のことちゃんと知りたい。話してくれるか?」

「もちろんだよ」

彼の想いが嬉しくて、“あなた”の顔には自然と笑みが零れる。それを見た彼は邪魔だとばかりに音楽を消した。

「じゃあ、まず……好きな食べ物は?」

「なんか、おかしい」

彼の質問する姿がなんだか面白くて、くすくすと笑う“あなた”に、彼は少し照れたようにむくれる。

「笑うなよ、いいだろ、何事もまずは基本からだ」

「うーん、甘いもの?」

「甘いものね……。甘ければなんでもいいのか?」

「特に好きなのはケーキかな」

「ケーキが好きってのは知ってるよ。その中でも特に…… 生クリームたっぷり使ってるのが好き。合ってるか?」

「正解!」

「やった。それじゃあ、苦手な食べ物は…… まずはブラックコーヒーだろ?」

「うん、あと、辛いもの」

「聞いといてよかった。知らなかったら俺、今度、激辛料理に誘うところだった。じゃあ、趣味は?」

「本読んだりするのは好きかな。書店巡りもするし」

「書店巡り? そんなことしてたのか」

「古本屋さんとか、見てると楽しいよ」

「オススメの本は?」

「最近読んだミステリーの本、面白かった!」

「ふーん……面白そうだな。今度貸して。読むよ」

彼の言葉に“あなた”は嬉しそうに頷く。

「じゃあ、普段よく行く場所は?」

「えっと……」

「いま一番行きたい場所は? 一番したいこと、欲しいものは?」

「そ、そんなに一気に質問されても答えられないよ」

矢継ぎ早に質問をされて、“あなた”は少し拗ねたように口を尖らせた。

「……! そうか、悪い。こんなに一度に答えられないよな。もう付き合って1ヶ月になるのにな……。まだまだ、知らないことばかりだ」

「でも、これからたくさん知っていけるよ」

「そうだな。これからも時間はいっぱいある。……お互い、そう焦る必要はないか。じゃあ……最後にこれだけ」

何を訊かれるのだろう、と“あなた”は不思議そうに彼を見つめる。

「俺の好きなところは?」

予想外の質問に“あなた”は言葉に詰まった。

「……答えられないのか?」

彼は“あなた”を見つめたまま、ぐっと近付く。

「そうじゃないけど……」

「なら、いいだろう。さっさと答えろよ」

「……自信満々なところかな?」

「自信満々なところって……それ、良いところなのか?」

「私は内向的だから、羨ましいよ」

「まあ、お前は内気だから、そう思うのかもな。もっと自信持てばいいのに。言ったろ、お前のこと狙ってるやつ、多いんだからな」

「あの、私も凌のこと知りたい!」

「ん? ……ああ、今度は俺が答える 番だな。 なんでも聞いて」

「じゃあ、好きなものは?」

「そうだな……。コーヒーが好きだ。朝の習慣みたいなもん。……次は?」

「えっと……」

「まだ聞きたいこと、あるんだろう? お前にも、俺のこと知ってほしい。どんなくだらないことでも、お前が聞きたいなら全部答えるから」

「……じゃあ、私のどこを好きになった?」

「……なんだよ。珍しく直球で聞いてきたな」

「だって、さっき凌がそうしろって言ったから」

「まあ、俺も聞いたしな。恥ずかしいな、これ……。……一目惚れだよ、最初は。道でお前を見かけて、気付いたら“髪が綺麗だからカットモデルやってほしい”って声かけてた……。でも、それだけじゃなくて……スタイリストの試験があったとき、何回かモデルを頼んだだろう? 俺の夢を応援したいから協力しますって言ってくれて、真剣に付き合ってくれた……。それが嬉しくて、いつまでもこの子に側にいてほしいって思ったんだ。それに、俺も何かしてやりたいって」

 


彼の気持ちを聞けて、“あなた”は込み上げる喜びを噛みしめていた。

今回はここまで!

次回更新をお待ちください☆

発売まで、楽しみにお待ちください♪

※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。

 

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2016年4月23日発売予定
大好きな彼とHして腕まくらでピロートークされちゃうシリーズ
同い年彼氏と終電を逃した夜に♡編が付録についた
Cheese!6月号

付録CD出演:皇帝
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