【ブーケ】禁断情事:芸能人とファン シナリオ公開 Part 12『はじまり』
- 2016年10月30日
- bouquet
11月発売のドラマCD「禁断情事:芸能人とファン」のシナリオ公開を更新♪
本編は今回がラストです!!
脚本を担当してくださった「正海春人」先生が小説風に書き換えて下さってますよ☆
芸能人とファン キャスト
松浦 駿:土門 熱
藤堂リュウ:八王子タカオ
屋良:ワッショイ太郎
鴇田:バンジョー鯉乃助
清河:二階堂 剣
■Part12『はじまり』
一日悩んだ末、答えは松浦さんに会った瞬間に固まった。こうして顔を見て話ができる距離がやっぱり嬉しい。ただの他人に戻ることなんてできない。だから――私は松浦さんに連れられて、彼の部屋に入った。
鍵を閉める音を耳にしながら松浦さんは切羽詰まったように私の唇を求めた。
「はあ……ようやく、お前にキスできた……」
吐息交じりに呟いて、松浦さんは私を抱き上げる。
「お、重いですから!」
「重くない。やっと捕まえたんだ……今日は絶対に離さない」
初めて入る寝室。緊張で周りを見ることなんてできない。ベッドに降ろされて私は松浦さんを見上げた。
「……本当に俺でいいのか?」
「それ、私の台詞です……」
「俺は、お前がいい。お前しかいらない」
「でも……」
目を背け続けるにはあまりにも大きくなってしまった恋。それは我儘で身勝手なものだ。松浦さんの迷惑になるようなことはしたくないと今でも思っているのに、松浦さんから離れることはできない。
それなのに無駄な理性が邪魔をして、常識的でいようとしている自分がいる。本当は離れられないほど好きなのに。
「俺のこと、考えてくれてるんだな……」
思わず俯く私に、松浦さんは優しく微笑んだ。
「たしかに反対はされると思う。だけどお前のことを諦めるくらいなら、俺はこの仕事、辞めてもいいよ」
「だ、駄目です、そんなの」
「そう言うと思った。でもこれが正直な気持ちだ。仕事を理由にお前に会えなくなるなら、俺は仕事よりお前を選ぶ。それくらいの覚悟がなかったら、気持ちを伝えたりしない。今仕事を辞めても、それはそれで騒がれるだろうし……。それでも……俺はお前と一緒にいたい。必要なんだ」
どうしてそこまで想ってくれるのだろう。出会いは突然で重ねた言葉も多くはない。それでも松浦さんは手を伸ばしてくれた。何故私なのか……そんな声がぽつりと漏れる。松浦さんは小さく微笑んで私の髪を撫でた。
「……多分ずっと気になってたんだと思う。お前が変な客に絡まれる前から……」
「そんな前から……」
「うん。お前は俺のことに全く気付いてなかったけど、俺はあそこによく通ってたし……気が付いたら目で追ってることはあった。元気で明るくて、一生懸命で、表情が豊かで……普通の女の子って感じがした。話すようになってからは……もっと目が離せなくて……」
初めて聞く松浦さんの想い。私は嬉しくて目の奥が熱くなっていた。
「最初は俺の立場のせいで、お前に迷惑がかかるかもしれないって思った。けど、俺はどうしてもお前のこと、手に入れたかったから……ごめんな」
最後の謝罪の言葉は松浦さんらしい。自分のことより他人のことを考える優しい彼だから。
私もその気持ちに応えたい。もう迷わない。邪魔な理性もかなぐり捨てて、私は松浦さんに手を伸ばした。たとえこの先何があっても、この恋に後悔はないから――。
今回の更新はここまで!
次回更新はステラワース限定版の予定です!
お楽しみに♪
2016年11月30日発売予定
禁断情事:芸能人とファン
出演:土門熱 ほか
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