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【ブーケ】禁断情事:先生と生徒 シナリオ公開(7)『気持ちが君を求めてた』


8月発売のドラマCD「先生と生徒」のシナリオ公開を更新♪

脚本を担当してくださった「正海春人」先生が小説風に書き換えて下さってますよ☆

先生と生徒キャスト

<本編出演>
杉原祐也:四ツ谷サイダー
谷口 明:絢瀬 零士
羽瀬冬一:背脂増々
真澄加奈:逢
滝本康介:常磐 周平

<ステラワース限定版出演>
杉原祐也:四ツ谷サイダー

<連動購入特典出演>
杉原祐也:四ツ谷サイダー
谷口 明:絢瀬 零士
羽瀬冬一:背脂増々
真澄加奈:逢


Part.7『気持ちが君を求めてた』

羽瀬くんにそろそろ移動しようと声を掛けられた。5限の授業はないけど滝本くんとの約束もある。
頷いて一緒に出ようとしたその時、そっと先生に呼び止められた。

「ああ、すみません。実はこの後、彼女に頼んでいる仕事があるんです。お借りしても大丈夫ですか?」

仕事があるという理由に、羽瀬くんは自分も手伝うと申し出る。けれど今日の手伝いは1人で十分らしい。先生が柔和に微笑んで羽瀬くんに断っていた。

羽瀬くんが教室から出て行って、足音が遠のく。完全にその気配が消えると先生は私に距離を詰めた。

「……ようやく二人きりだね」

「仕事があるんじゃないんですか?」

「仕事? ないよ、そんなの……」

なんとなくそんな気がしていた。昼間も今も、先生の嘘は私を幸せにする。

「ただ、こうして君を独り占めしたかった……授業で目が合う度に、君に触れたくなってたまらなかった……」

「先生がそんなことを言うの、珍しいです……」

「そうかな……俺だって好きな人の前じゃただの男なんだよ? 君を……君たちを見てると、嫌でも隠してる感情が顔を出す……」

隠している感情。それがどんなものなのか先生はハッキリとは教えてくれなかった。
ヒミツと、余裕そうに笑って今日の授業のご褒美をくれると言った。

甘く微笑む先生を独り占めできる限られた時間。すごく幸せなはずなのに、何故かわからなくなっていた。それをそのまま受け止めていいのか、心が躊躇した。

「……どうしたの? 何か、あった?」

「やっぱり先生と付き合うってダメなんですか……?」

「どうして、そんなこと聞くの? 誰かに、何か言われた……? もしかして昼間、真澄さんが言ってたこと、気にしてるの?」

私は羽瀬くんにも指摘されたことを伝えた。
誰にも言えない関係が幸せなはずがない。今日、いろんな人に言われた言葉は確実に心に傷をつけていた。
先生が好きだし、ずっと傍にいたい。でも私がどんなに好きでも、先生が幸せになれないのは嫌だった。
色んな感情で答えを見失いそうになる私に、先生が尋ねた。

「君は……どうしたいの? 真澄さんや羽瀬くんが言うように、俺を好きでいるの、やめる……?」

好きでいるのをやめる……? 
考えたこともなかった。同時にそれが答えなのだと気づくと、心を渦巻いていた灰色は晴れていった。
どんなに周囲が反対意見を言っても、私の気持ちはたった一つなのだ。

「ありがとう……君が俺のことを好きでいてくれる限り、俺は全力で君を守るよ……」

先生がそこまで想ってくれているとは思わなかった。
気持ちを疑うわけじゃないけど、先生から見たら私なんて子供だ。だからいつかはこの関係も解消されるのではないかと、自分が傷つかないように予め小さな壁すら作っていた。

「先生がそんなふうに想ってくれるなんて……」

「意外? 俺、これでも君のこと、好きだって、ちゃんと伝えてきてると思うんだけど」

「……でも1番最初に告白したときは断られました」

私から告白したのは1度じゃない。最初は勿論断られた。
だからこそ、OKをもらってもどこか不安になっていたのかもしれない。

「ああ、懐かしいな。夏の合宿の時に君が初めて告白してくれた時か……そりゃ断るでしょ。可愛い生徒をみすみす俺の手で間違った道に連れていくわけにもいかないし。それにあの時はただ単に大人の男に憧れてるだけだと思ったから」

当然の理由だ。
けれど、先生はあの時のことを振り返って本当のことを話してくれた。本当は、あの時から私に惹かれていたということを。
だから二度目に告白した時、先生は私の想いを受け取ってくれたのだと初めて知った。

先生は私の顎に触れて上を向かせた。視線の交わりは一瞬。その後はただ唇を合わせて深くまで絡み合った。
このままこの熱に身を委ねてしまいたい。けれど教室はいつ誰が来るかわからない。せめて先生の研究室で、と呟いた。

「人なんて来ないよ。ああ……むしろ、バラしてみる……? 俺たち、付き合ってるんだって……」

「どうかしたの? 先生……」

先生がこんな風に強引に、大胆な言動を取ることは今までなかった。思わず尋ねると、想像もしなかった想いを告げられた。

「俺はね……本当は嫉妬深いんだ。君の同級生に……生徒にイライラするくらい……気持ちが抑えられないんだ……」

今日だけは我慢できない……。
先生の声が切なそうに耳を掠めた。


今回の更新はここまで!

次回は【 7月29日(金) 】を予定しています。

楽しみにお待ちください!
【WEB用】禁断ジャケ絵02(提出用)【■】

2016年8月24日発売予定
禁断情事:先生と生徒
出演:四ツ谷サイダー ほか
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