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【petit】土門熱だらけ~ちょっと大胆になって♡~ 人気第4位:犬 シナリオ公開(1)


おまたせいたしました☆

土門熱だらけ~ちょと大胆になって~ 第4位:犬 編のシナリオ公開を更新☆

シナリオを担当してくださった、正海春人先生が読みやすく、小説風に書き換えてくださってます!

 


Part.1『金髪の男の子』

「ん~……重い……」

その朝、不意に感じた重みに目が覚めた。一人暮らしは長いが、こんな風に目が覚めることはなかった。瞼も重いし、ジョンの鳴き声も聞こえない。私はもう少し眠りたくて、体を捩った。

「ん~……むにゃ……」
「……?」

知らない声に、閉じかけた瞼が開いた。声がした方をそっと振り向くと――。

「ん~……むにゃむにゃ……わふっ……ご主人様~」
「――っ、きゃーーー!」

――知らない男の子が、私を抱きかかえるようにして眠っていた。
気が付けば反射的に悲鳴が出て、力いっぱいに彼を突き飛ばしていた。

「――ってぇ! 何? どうしたの!? 何が起きたの!? はっ! ご主人様! 大丈夫!?」

パニックになりながらも周囲を見回した男の子は、私と目が合うと、心底ほっとしたような顔をした。

「良かった~! 叫び声がしたから変な奴が出たのかと思った! 誰もいないね!」
「っ、変な人はあなたでしょ!」
「?? オレ?」
「出てって! 警察呼ぶわよ!」
「どうしたの……? ご主人様? 何を怒ってるの? オレが一緒にいるから大丈夫だよ」

この状況に頭がついていかない。それでもすぐに思い出したのはジョンのことだった。
知らない人間が部屋にいて、ジョンが大人しくしているわけがない。いや、もしかたら怖くなって震えているのかもしれない。

「ジョン! ジョン!?」

名前を呼ぶと、返ってきたのは――。

「わふっ!」

目の前の、男の子の口から出た声だった。

「今呼んだよね!」
「ジョンって呼んだ、けど……今のって……」
「だから、オレがジョンだよ。変なご主人様」

目の前の男の子に、私はただ目を丸くした。
私の知っているジョンは、ふさふさの金色の毛をした犬なのに。

「嘘……」
「?? 信じてくれないの?」

ぽつりと出た声に、男の子は少し考えた様子で、ベッドに乗り上げた。
無邪気だし、顔は少し幼くも見えるけれど、その背格好は立派な男性だ。
必死に考えていると、彼がすっと私の手を掴んだ。

「!」
「ほーら……ちゃんと触って?」

男の子は私の手を導いて、ふわふわとしたものを触らせた。

「俺の尻尾。ふさふさでしょ。それと~」
「!?」
「俺の耳。いつも撫でてくれる!」

触れたものは、どれもよく知っている感触だった。
パニックで、そこまで目が行かなかったが、男の子には金髪に隠れるように垂れた耳と、お尻の辺りからは尻尾が生えている。
しかもその感触は、毎日触れている、ジョンの毛並みと同じものだった――。


犬編は、ポケット★ドラマCDにて限定配信です!

2017年9月27日発売予定
あなたの1票で収録エピソードが決まる!
○○だらけシリーズ
ドラマCD「土門熱だらけ~ちょっと大胆になって♡~」
出演:土門熱
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※製作上の都合により、収録内容は変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。

 

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