【petit】土門熱だらけ 人気第2位 AV男優の彼 イントロダクション公開
- 2017年08月14日
- petit
9月27日に発売となる、「土門熱だらけ~ちょっと大胆になって♡~」のプロローグを公開致します!
今回は人気第2位「土門熱だらけ~ちょっと大胆になって♡~」 AV男優の彼のイントロダクションを公開!
初めてやってきたAV撮影の現場は、現実ではないような錯覚を引き起こさせた。
他人が肌を重ねるシーンを仕事として淡々と書き留めるのは、非日常的だ。何故自分がこの現場にいるのか不思議な気分のまま、キーボードを叩いていた。
特集記事は『女性が気持ちよくなれるセックス』。それは身体的快楽だけではなく、精神的満足感を含めて指す。その中で、業界一人気と言われるAV男優の九条昴を取材することになった。挨拶もそこそこにすぐに撮影入りした彼を、私はひたすら観察した。言葉遣い、口調、触れ方、テクニック……。けれど、集中力はすぐ途切れた。現場に響く女性の快楽に濡れた声に、今ここにいるのは仕事だとわかっていても、どうしても余計なことを考えてしまう。
大きな声を出すのは恥ずかしくないのか、何故そんな声が出せるのか――。
頭が沸騰しそうになりながら、自分がなんのためにここに来たかを必死に思い出して、気づいたことを断片的に書いていると、撮影はあっという間に終わり、シャワーを済ませた九条昴に声をかけられた。
「お待たせしました」
「いえ……。撮影、お疲れ様です」
「そちらもお疲れ様でした。長々と見て頂いて、すみません。記事になりそうですか?」
「え、ええ……」
私は思わず浅く頷いた。というのも、私が書き留めたことは、ただの『流れ』だったから。けれど、それに気づいたからといって、ここで書き留めることができた内容はそれだけだった。人気AV男優・九条昴が、どうやってAVを作っているのか。そんな記事になりそうで、特集に相応しい内容にどう軌道修正するか悩んでいた。
「……ちょっと見せてもらってもいいですか?」
私が断るより早く、九条さんは私のPCを覗き込んだ。
「なるほど」
中身を見た九条さんは苦笑交じりに呟いた。それは、私が感じていることときっと同じだろう。これでは、事前に伝えた特集内容とは程遠い。
「すみません。でもきちんと記事にはします。お約束していたインタビュー、させて頂いてもよろしいですか?」
「それはもちろん。でも……」
「……?」
「苦手なのかなって……」
「え?」
「セックス」
図星を指され、私は小さく喉を鳴らした。
「こんなこと、いきなり失礼ですよね。違っていたらすみません」
「……。どうして、そう思われるんですか?」
「まあ、このメモを見れば。あなたはセックスを義務か作業みたいに捉えてるのかなって」
「それは……」
「今日は仕事なんだし、セックスが好きでなきゃいけないってわけではないから、責めてるわけじゃないけど」
「……」
「でも、多分いろんな意味で前向きではないと思って。それじゃあ辛いでしょう。違ってたらごめん」
見透かされた気分だった。けれど、苦手意識があるからこそ、良さを見つけて記事にしたいとも思っていた。
「あの、九条さんが言っていることは当たりです。でも、だからこそ、嘘のない記事が書けると思います」
「そっか。そういう考え方もあるか…」
「はい」
九条さんは、何かを考えるように黙ってじっとこちらを見ている。私も、遊びで来たわけではない。ここで目を逸らすわけには……。
「……。わかりました。さっきは失礼しました。この後、俺も本音で話しますよ」
「! ありがとうございます!」
苦手意識があるセックス。この特集でその魅力に気づきたかったのは、他でもない私自身なのかもしれない。私は何故か痛いほど速い胸の鼓動を感じながら、九条さんと向き合った――。
今日の更新はここまで!
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2017年9月27日発売予定
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○○だらけシリーズ
ドラマCD「土門熱だらけ~ちょっと大胆になって♡~」
出演:土門熱
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