Velvet Vice

Velvet Voice(ベルベットボイス)レーベルリリース一覧

【ブーケ】禁断情事:先生と生徒 シナリオ公開(6)『授業』


8月発売のドラマCD「先生と生徒」のシナリオ公開を更新♪

脚本を担当してくださった「正海春人」先生が小説風に書き換えて下さってますよ☆

先生と生徒キャスト

<本編出演>
杉原祐也:四ツ谷サイダー
谷口 明:絢瀬 零士
羽瀬冬一:背脂増々
真澄加奈:逢
滝本康介:常磐 周平

<ステラワース限定版出演>
杉原祐也:四ツ谷サイダー

<連動購入特典出演>
杉原祐也:四ツ谷サイダー
谷口 明:絢瀬 零士
羽瀬冬一:背脂増々
真澄加奈:逢


Part.6『授業』

4限は杉原先生の授業。
厳しいと有名だから先生のゼミを希望する人は少ないけど、だからこそ先生と生徒の距離も近い。授業の雰囲気はアットホームだ。

今日は以前から谷口くんが基礎部分を確認したいと先生に話していたこともあって、授業は一番基礎まで立ち戻っていた。
けれど谷口くんの理解力はなかなか問題があるようで、先生は難しい顔をして息を吐いていた。

「だって忘れるじゃん!? 俺ら色々新しいことも勉強してるし!」

「限度があります。まさかここにきて基礎中の基礎を説明することになるとは思いませんでした」

先生が私たち全員に目を向ける。

「他に谷口くんのように理解できない、覚えていないことがあれば、すぐに言ってください」

杉原先生は厳しいけど面倒見が良い。
わからないことはどんなに基礎でも、わかるまで教えてくれる。私が先生に惹かれた部分の一つ。

「もちろん、ここにいる人同士で勉強するのもいいでしょう。既に理解している人も良い復習になるはずです」

そして、自ら学ぶ意欲を持たせるように、生徒同士で勉強することもよく勧めている。
今回も多分谷口くんの性格を考えてのことだろう。

「俺はお前の面倒見ないからな、明」

「うわー親友をバッサリ切るとか、鬼か!」

「清々しい馬鹿は嫌いじゃないけど、さすがに時間の無駄なことはしたくない」

「ふん! 別にいいし! 俺、この子に教えてもらうから!」

羽瀬くんに振られた谷口くんはすぐに私を引き寄せた。授業中での説明がわかりやすかったからと人懐こい笑みで教えて欲しいとお願いされてしまった。

かまわない、と応えようとした時、バサッという紙の束を置く音が響く。
その音が大きく聞こえたような気がして、一瞬辺りが静まり返った。そしてすぐに授業終了の鐘が鳴る。

「では、言っていた通り課題を置いておきますので各自取って帰って下さいね」

気のせいだったのだろうか。先生が纏う空気が違ったように見えた。
課題に対する加奈ちゃんのブーイングで再び教室はいつものゼミの空気感に戻った。

「うっそ! うちらも? 明だけじゃなくて!?」

「連帯責任ということで。それと来週のグループ研究ですが、テーマを提出していないグループはすぐに出してくださいね」

「げっ、テーマ……! その上課題とか……マジかよ」

「あ~き~ら~」

青ざめる谷口くんに加奈ちゃんが詰め寄る。
そもそも課題が出る話になったのは、谷口くんが先生の質問に答えられなかったのが原因でもある。表向きは。
ただ全員に出すあたり、最初から出すつもりでいたんだろうな、と私は内心苦笑した。

谷口くんと加奈ちゃんの様子に羽瀬くんは息を吐く。
様子を見守っていると谷口くんは加奈ちゃんから逃げてきてこちらにやってくる。

「待って~! 俺の救いの女神~~~!」

「……早速だぞ、女神様」

羽瀬くんは私を肘で小突いた。

「ちょっと待って! さっきのことなんだけど、マジで教えてくんない?」

頼られるのは嬉しいから、手伝えることならと思ったけど、言葉をかける前に加奈ちゃんが谷口くんにヘッドロックをかける。

「逃げんな」

「ぐえ! ぐるじぃ……」

「勉強ならうちらがしっかり見てやるよ」

加奈ちゃんは嫌がる谷口くんを引きずって出て行った。谷口くんにとっては地獄なのだろう。絶叫はまるで断末魔のようだった。


今回の更新はここまで!

次回は【 7月28日(木) 】を予定しています。

楽しみにお待ちください!
【WEB用】禁断ジャケ絵02(提出用)【■】

2016年8月24日発売予定
禁断情事:先生と生徒
出演:四ツ谷サイダー ほか
ご予約はこちら
ステラワース限定版のご予約はこちら

LINEで送る
Pocket

Velvet Voice(ベルベットボイス)レーベルリリース一覧
ページのトップへ