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【ブーケ】禁断情事:お義兄ちゃんと義妹 シナリオ公開(10)『あの時以来』


7月発売のドラマCD「禁断情事:お義兄(にい)ちゃんと義妹(いもうと)」のシナリオ公開を更新♪

脚本を担当してくださった「正海春人」先生が小説風に書き換えて下さってますよ☆

お義兄(にい)ちゃんと義妹(いもうと)キャスト

涼太  :佐和真中
小宮 充:八王子タカオ
神塚高司:椎名優
父   :お代官.様
母   :西野玖海


■シナリオ公開Part10『あの時以来』

着替え終えて戻るとお義兄ちゃんはいつも通りだった。
さっきの温度のないような声は、聞き間違いだったのだろうか。

夕飯の準備をしているお義兄ちゃんに何を作るのか聞くと、私が好きなメニューだった。

「一緒に買い物してたのに、材料見て気付かなかった?」

「お義兄ちゃんと買い物、久しぶりだったから……」

「ふっ……買い物に舞い上がって材料見てないって……はしゃぎすぎ」

優しく笑うお義兄ちゃんに、私の気持ちは溢れてしまう。
いつもなら誤魔化せる想いも、二人きりのこの夜が私のブレーキを麻痺させている気がする。
素直に、久しぶりに一緒に買い物ができて嬉しかったと伝えてしまった。

「俺とって……お前、そんなんじゃ彼氏できないぞ」

「いいもん、別に」

「ふうん……あとから恋人できないーって泣きついてきても俺、知らないよ?」

「泣きつきません!」

「そっかそっか……じゃあ俺はまだまだお前のお守りからは解放されそうにないな」

恋人になれなくてもいい。好きになってほしいなんて言わない。
ただ誰かを好きにならないでほしくて、手のかかる妹でいようとしているのかもしれない。
そんな私にお義兄ちゃんは、もうしばらく見ててやる、と困ったように笑った。

2人きりでキッチンに立って、料理をするのは久しぶりだった。
母の手伝いでお義兄ちゃんとここに立つことはあっても、2人きりというのは、それこそ小さい時以来のことだった。

「そんなに嬉しいの? 手伝い」

「お義兄ちゃんとキッチンに立つの久しぶりだから」

「そう、だね……こうやって二人でキッチンに立つなんて、随分久しぶりだ」
「なんかそう考えると、俺も嬉しいかも……あの時以来で……」

その瞬間、私の胸は音を立てた。
お義兄ちゃんも、覚えていてくれたということに。

「……覚えてるよ。当然だろ。初めてお前とちゃんと接した瞬間だったからな……」

あの頃のお義兄ちゃんは不愛想だった。
それは両親の再婚が原因だったと、今ではわかる。

「あの頃は親の再婚に割り切れる歳でもなくて、お前と向き合えない時間が、長かった気がする……」
「それなのに、お前は今みたいに俺の隣にいつもいたよな」

「だって……」

「ははっ……さみしがり屋は小さい時から変わらないか」

小さい頃にしたお義兄ちゃんとの二人きりの留守番。
料理なんてできないのに、お義兄ちゃんがキッチンに立つと私もそこにいたのを覚えている。

「どこに行くにも俺の後ろついて回って、こうやって料理を作る時もそばにいてさ……」
「その時初めてわかった……ああ、この子は寂しいんだって……」

「ずっとお母さんと二人だったから……」

思えばあの時から、お義兄ちゃんは私にすごく優しくなった気がする。
その思い出が強いから、今日の留守番は私にとって特別なものだった。
あの頃と同じ状況になれば、お義兄ちゃんはずっと傍にいてくれるかもしれない。私はそんな淡い期待を持っていた。

規則正しかった食材を切る音が、徐々に小さくなる。
お義兄ちゃんは手を止めて、懐かしむように呟いた。

「俺も……ずっと父さんと二人だった。だから、俺の服の裾を引っ張るお前の手で、俺も初めて気がついた。誰かに必要とされる温かさとか……助けてあげたい気持ちとか……」
「……あと、俺も、寂しかったんだなって……」

初めて聞いたことに、私はただ驚いていた。
確認するように尋ねるとお義兄ちゃんは『寂しかったよ』ともう一度言った。

その時のお義兄ちゃんの顔が本当に寂しそうで、私は思わず目を奪われてしまっていた。
だから――。

「っ!」

「っ、切ったのか!?」

手元を狂わせてしまった私は少しだけ手を切ってしまっていた。
焦ったようにお義兄ちゃんは『貸して』と私の手を取って――。

「ん…………」

微かに血が滲んだ指を、口に含んでいた――。
禁断カットイラスト01(提出用)


今回の更新はここまで!
次回の更新は【 6月15日 】を予定しています!
お楽しみに☆

※製作上の都合等により、実際に収録される内容とは異なる場合があります。予めご了承ください。

商品紹介

【切り取り・SAMPLE入り】禁断ジャケ絵01

2016年7月27日発売予定
禁断情事:お義兄(にい)ちゃんと義妹(いもうと)
出演:佐和真中 ほか
ご予約はこちら
ステラワース限定版のご予約はこちら

お義兄ちゃんと義妹 Story

ある日、両親の旅行で義兄と2人きりで留守番をすることになった“あなた”。
2人きりで過ごせることを楽しみにする“あなた”だったが、義兄が深刻な様子で
親友の神塚に何かを相談しているのを目撃する。

2人きりの夜。食事の後、すぐに部屋に入ってしまう義兄。
一緒にいたい“あなた”は『一緒にアイスを食べよう』と部屋を訪ねるが、
しばらくすると義兄は神塚の家に行くと言い出す。
寂しそうな“あなた”を説得して出ていこうとするが……。

「俺の気持ちも知らないで……」
ついに抑えていた積年の想いを“あなた”にぶつける義兄。
押し倒された“あなた”は義兄の愛を知ることになる。

「本当にごめんな……」
“あなた”の耳元で聞こえてくるのは「謝罪」と狂おしいほどの「愛」の言葉だった――。

お義兄ちゃんと義妹 ステラワース限定版 Story

――「映画の続きと俺との続き、どっちがいい?」

想いが重なってから数日後。
朝寝坊する義兄の部屋に忍び込む”あなた”。
起こされた義兄は“あなた”と映画を見ようとするが、
部屋着姿に“あなた”に我慢できなくなる。
下には両親がいるが、義兄の行為はエスカレートして……。

「俺の声に弱いなんて嬉しいな……」
義兄に新しい弱点を見つけられて攻められる――。

連動購入特典 Story お義兄ちゃんと義妹Side

――「お前以外、考えられないから……」

ある日、両親の目を盗んで体を重ねていた2人。
義兄は“あなた”とこのまま秘密の関係で終わらせたくないと話す。
これから先も“あなた”と一緒にいるために、“あなた”を幸せにするために、
両親に打ち明ける決心をしたという義兄だったが……。

「決定的な場面見られてるんだから……言うことは一つだよ」
抱き合っている場面を見られてしまった義兄は選んだ行動は……。

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